2019年9月16日(月)

デンソー、2030年に備え 脱・自前へ異業種と提携

2016/8/11 0:00
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世界2位の自動車部品メーカー、デンソーが自動運転時代の到来に危機感を募らせている。求められる部品が様変わりし、ドイツの部品大手をはじめとするライバルとの新たな競合にさらされているためだ。生き残りへ向けて変革を始めた。

「ドイツ大手とは互角の戦いをしていると思っている。アピールはへただが乗っていただけると分かると思う」。10日開いた技術説明会で、自動運転のために今年立ち上げたADAS推進部の松ヶ谷和沖部長は述べた。

だが、楽観視できる状況にはない。デンソーの筆頭株主であるトヨタ自動車が「カローラ」に採用したのは、独コンチネンタルの自動運転システムだった。同社はトヨタグループのお膝元である愛知県豊田市に開発拠点を設け、自動運転に役立つ障害物検知のカメラやレーダーの開発も手掛ける。デンソーは真っ向勝負を挑まれている。

トヨタに徹底的に鍛えられた高品質、低コストの物づくりで世界最強とも言われたデンソー。今、競争環境の激変に直面している。自動運転時代は加工やコストダウンの技術だけでなく、ソフトウエアやサービスも含めた「プラットフォーム」を提供できるかが勝負を分けるようになった。

対応のために設立したのが100人あまりで構成するADAS推進部。ここに来て内外のソフト会社と相次ぎ共同出資会社を設立しソフト人材を確保。半導体まですべて内製するなどこだわってきた自前主義を転換し、外部との連携を始めた。

2030年、完全自動運転車によるカーシェアリングが実現すれば自動車の台数は今の200分の1ですむ――。名古屋大学と共同で試算した結果を6月、あえて社員に公表したのは強い危機感を映し出す。配車を頼むと車が自動で迎えに来る社会では自家用車が必要なくなるかもしれない。極論かもしれないが「デンソーはどう変わるべきか」という問いを社員に突きつける狙いがある。

だが、ドイツ勢はデンソーの先を行く。世界最大手のボッシュは自動運転の核になる微細センサーでも世界首位。ソフト技術者を1万5000人そろえ、独南部のシュツットガルトで公共交通のシステム運用を受託した。フォルクマル・デナー社長は「最終消費者向けサービスまで自動運転にかかわるあらゆるプラットフォームを提供する」と言う。部品だけでなく、自動運転のバスやタクシーが走る街づくりも主導しようとしている。

コンチネンタルは昨年、フィンランドIT(情報技術)大手から車載用の組み込みソフト部門を買収した。米モトローラ、独シーメンスなどの部門買収も繰り返し「総合自動運転メーカー」を目指している。ZFも含む独大手3社は公道で自動運転車の実証実験を続け技術を公開。完成車メーカーだけでなくIT企業との仲間づくりを急ぐ。

変わり始めたデンソーだが、ドイツ大手と互角以上の戦いを続けていくには、変化のスピードをより上げる必要がある。(横田祐介、吉田楓、フランクフルト=加藤貴行)

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