2018年12月11日(火)

キヤノン、監視カメラ世界最大手を買収 3300億円で

2015/2/10付
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キヤノンは10日、街角や工場の監視などに使うネットワークカメラの世界最大手、スウェーデンのアクシスコミュニケーションズを約3300億円で買収すると発表した。同カメラはスーパーの売れ筋分析や高齢者の見守りなどにも用途が広がり、市場規模は今後4年で現状の2倍の約3兆円になる。キヤノンは主力のカメラ事業などが苦戦するなか、豊富な手元資金を使って成長市場で一気に首位に立つ。

ネットワークカメラは遠隔地から街頭や工場内などを監視する。映像から客の流れを解析して売り方の改善につなげたり高齢者の見守りに使ったりもする。世界市場は現在約4600億円。周辺機器も加えると約1兆6千億円、18年には3兆円近くになるという。

アクシスは1984年設立でネットワークカメラを世界で初めて実用化した。179カ国・地域に進出している。14年12月期の売上高は55億クローナ(約770億円)、純利益は5億クローナだった。

3月初旬からTOB(株式公開買い付け)を始める。キヤノンのM&A(合併・買収)で最大となる。スウェーデン当局の承認を得た後に、1株当たり340クローナ(約4800円)で買い付けて完全子会社化を目指す。アクシスの取締役会と上位株主はTOBに賛同している。買収後も同社のブランドは残す。

アクシスは街頭の映像から不審者を自動検出するシステムなどに強い。キヤノンは線香1本程度のわずかな光でも人間や車の動きを撮影できる技術も持つ。アクシスと高度なシステムを開発し世界で需要を掘り起こす。

アクシスは自社のカメラ工場を持たずに外部に委託しており、キヤノンは自社のカメラをアクシスに供給して、販売増につなげていく。

キヤノンのネットワークカメラの売上高は年20億円程度とみられ、アクシス買収で800億円に伸びる。16年12月期には売上高1千億円、純利益で約100億円を稼ぐ計画だ。医療機器とともに新規事業の柱にする。

キヤノンは08年の金融危機以降、財務を重視してきた。主力の事務機とデジタルカメラは市場が成熟し成長が見込めなくなった。8400億円の手元資金をいかして成長投資にかじを切る。

同社は日米欧に本社機能を置いて主要事業を分担する「世界3極体制」の確立を急いでいる。意思決定を速めるためだ。米国は医療機器の戦略を立てて開発・生産も担当し世界に供給する。日本はデジタルカメラや事務機を担う。欧州では10年に1千億円で買収したオランダの商業印刷機大手のオセやアクシスが事業の司令塔になる。

キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長最高経営責任者(CEO)は10日、「今回の買収は世界3極体制を大きく前進させる」と述べた。今後は景気に左右されやすい消費者向け商品よりも「企業向けに軸足を移して成長を目指す」と強調した。

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