就活はや半数内定 来春新卒、人手確保競争激しく

2016/6/11 0:55
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就職情報大手リクルートキャリア(東京・千代田)は10日、2017年春卒業予定の大学・大学院生の6月1日時点就職内定率が、52.4%に達したと発表した。経団連の採用選考指針では、6月1日に加盟企業の面接が解禁されたばかり。人手不足に対する危機感は根強く、企業が選考活動ペースを速めている。

採用面接に訪れた就活生(1日、東京都渋谷区)

リクルートキャリアは大学生・大学院生約9500人を対象に調査を実施し、1760人から回答を得た。同社は毎月、調査を実施しており、5月1日時点での内定率は25%だった。

内定率は月を追うごとに上昇するため、単純比較は難しいが、15年の面接解禁である15年8月1日時点は65.3%だった。就職情報のディスコ(東京・文京)が6日発表した今年6月1日時点の内定率も54.9%に達した。

売り手市場のなか、企業は優秀な人材の確保を急いでいる。三菱商事は夕方に面接を実施したりIT(情報技術)を活用したりして、面接期間を昨年の半分に短縮した。経団連に加盟する大手金融機関は10日までに、首都圏での新卒採用の予定数をほぼ全て確保。ある流通企業も面接期間を半減させる方針だ。

人材確保を急ぐのは、依然として人手不足が解消されていないことが背景にある。リクルートワークス研究所の大卒求人倍率調査では17年3月卒は1.74倍と、リーマン・ショック前の2倍超には及ばないものの高水準が続いている。

さらに、経団連の指針とは別に採用活動が進められていることも大きい。指針に縛られない企業は先行して内定を出している。総合情報サイトのオールアバウトはすでに採用計画数の半数を確保した。リクルートキャリア・就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「5月末までに先んじて選考して内定を出すケースが相次いだ」と語る。経団連に加盟していても、事実上の面接選考を解禁前に進めていた企業は少なくない。

多くの企業は内定式を10月1日に開くため、それ以前は「内々定」という表現を使う。ただ、内定と事実上ほぼ同じ意味で企業は使っているもようで、学生側もそう受け止めているようだ。明治大学の就職キャリア支援センターは「大手企業から内々定が出るのは今月10日前後がピークになりそうだ」と見ている。

今年の就職活動は、開始から面接までの期間が昨年より2カ月短くなった。企業の採用活動に詳しい人材研究所(東京・港)の曽和利光社長は「昨年の解禁破りがほとんどとがめられなかったため、今年は金融をはじめとした大手企業があからさまな『フライング内定』を出している」と指摘する。東北大学の男子学生は「じっくりと業界研究する時間が短く、進路を選ぶのが難しかった」と語っていた。

リクルートキャリアの調査によって2人に1人が内定を得ている現状がわかったが、「通年採用」などに代表されるように企業の採用方針は変わりつつあり、学生側の考えも多様化している。内定率だけで就活全体を表すのは難しいとの声も聞かれる。

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