2019年7月23日(火)

次は「非資源」 三菱商・三井物、尽きぬ減損リスク

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2016/5/10 16:10
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次は「非資源」――。原油・資源価格の下落を受け、三菱商事や三井物産など商社各社は2016年3月期に軒並み多額の減損損失を計上したが、不安材料は払拭しきれていない。食糧など非資源分野で買収した企業が期待通りに稼げないケースがあり、減損リスクを抱えているのだ。業績に与えるインパクトは資源ほど大きくないが、損失が出れば買収の目利きや事業運営の能力を問われることになる。

■相次ぐ食糧ビジネスの誤算

決算発表する三菱商事の垣内社長(10日午後、東京都港区)

決算発表する三菱商事の垣内社長(10日午後、東京都港区)

「すべての事業で資産を厳しく見積もっている。資源だけでなく、非資源でも減損リスクは一掃されている」。三菱商事の最高財務責任者(CFO)である増一行常務執行役員は10日、決算記者会見でこう言い切った。

三菱商事の16年3月期の連結最終損益は1493億円の赤字(前の期は4005億円の黒字)だった。減損など損失計上額は4260億円。ほとんどがチリの銅開発事業やオーストラリアの液化天然ガス(LNG)事業など資源分野だが、保有船舶の資産評価を厳しくし、非資源分野の損失額は410億円と、従来見込みより210億円も膨らんだ。

ただ非資源分野の減損処理の中には、かねて業界内で減損リスクがささやかれていた事業は入っていない。14年に1500億円で買収したノルウェーのサケ養殖大手セルマックだ。養殖から加工まで三菱商事グループの食料事業との相乗効果を引き出す狙いがあったが、ロシアの需要減と天然魚の豊漁が重なり、市況は低迷。15年3月期の持ち分損益は40億円の赤字となり、黒字転換を見込んだ16年3月期も14億円の赤字に沈んだ。

セルマックに対する「のれん代」は約270億円。17年3月期のセルマックの事業見通しについて、増CFOは「市況回復を見込んでいる」と説明し、現段階では減損処理の必要性がないとの認識を示した。

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