2019年1月17日(木)

好調コナミ、くすぶる「頭脳流出リスク」

2016/5/10 12:51
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コナミホールディングスは10日、2017年3月期の連結決算予想を発表した。純利益は前期比43%増の150億円になる見通し。売上高は2100億円で同16%増になるという。利益率の高いモバイルゲームに注力することで増益を維持する一方、16年3月期のような著名タイトルの発売が見込めない家庭用ゲームの伸び悩みが減収として現れる。

スマートフォン向けのゲームがコナミの業績をけん引している

16年3月期は増収増益だった。純利益は前の期と比べて6%増の105億円。売上高は同15%増の2499億円だった。野球を題材にした「実況パワフルプロ野球」や「プロ野球スピリッツA(エース)」、サッカーを題材とした「ワールドサッカーコレクション」といったモバイルゲームの販売が伸びた。また、同社の看板商品の一つである「メタルギア」シリーズの家庭用ゲーム最新作も15年9月に販売になり、業績を支えた。

今期には前期から配信が先延ばしになったカードゲーム「遊戯王」のモバイル版を投入。世界展開する見通しだ。引き続きモバイルが同社の業績をけん引する展開は続く。ただ、その裏側には同社から家庭用ゲームを作る「頭脳」であるクリエーターが立て続けに流出し、モバイルに頼らざるを得ないという実情もある。

メタルギアシリーズの生みの親で「監督」とも言われた小島秀夫氏は15年12月にコナミを退社し、自らのプロダクションを立ち上げた。すごろく型ゲーム「桃太郎電鉄」シリーズを作ったさくまあきら氏との新作も計画通り進んでいない。恋愛ゲーム「ラブプラス」シリーズの内田明理氏も15年3月に退社した。

家庭用ゲームは当たれば収益が膨らむ半面、開発費がかかり、ハイリスク・ハイリターンとされる。そのため、ゲーム各社はよりローリスクなモバイルゲームへのシフトを強めており、コナミの戦略はその典型といえる。ただ、「頭脳」の流出は同社のソフト開発力を弱める。人気シリーズの固定ファンの反発を招き、同社のブランドを傷つけることにもつながりかねない。

モバイルシフトは「近道」に見えるが、実は「いばらの道」なのかもしれない。

(湯田昌之)

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