ジャパンディスプレイ、中華スマホ躍進で一息

2016/11/9 18:46
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液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)の2016年7~9月期営業損益は12億円の黒字(4~6月期は34億円の赤字)だった。10~12月期の営業損益は100億円の黒字と大幅に改善する見通し。アップルのスマートフォン(スマホ)新型モデル「iPhone7」シリーズの受注に加えて、OPPO(オッポ)や華為技術(ファーウェイ)といった中華スマホからの大量受注が業績を押し上げる。年初来の受注減によって資金繰りに苦しむ同社にとって、中国スマホ躍進の恩恵を受けて一息ついた格好だ。

「足元では欧米向け(アップル向け)新製品の立ち上がりで回復しており、中国もスマホ大手から引き合いがたくさん来ている」。有賀修二社長は9日の記者会見で足元の受注状況について明るい見通しを示した。例年、iPhoneの新モデルの受注が大量に入る10~12月期は売上高、利益ともにピークを迎える。16年10~12月期はアップル向けに加えて、急成長する中国スマホメーカーから数千万台分の受注を獲得。稼働中の国内工場はフル生産が続いている。中でも10~12月期の中国スマホ向け売上比率は25%程度と、前年同期の10%超と比べて大幅に伸びる見通しだ。

安定成長を続けるファーウェイの受注増は想定内。JDIにとって「うれしい誤算」となったのは今夏以降のオッポの急成長だ。前年比で2倍超の9000万台を出荷する見通しで、旗艦モデル「R9」シリーズが中国国内で爆発的に売れている。高精細パネルの調達に困ったオッポが頼ったのが、安定的な供給能力を持つJDIだった。工場稼働率が低迷していたJDIにとってもオッポの申し出は渡りに船だった。

ファーウェイとオッポ、vivo(ビボ)といった成長株との取引を拡大できた背景には、スマホ産業の集積地、中国・深圳に設計技術拠点を15年末に設立したことも大きい。設計や営業、品質保証のほかに調達の部隊も深圳に置き、仕様変更など顧客要望に迅速に対応できる体制を敷いた。16年3月期に売上高の54%を占めた過度のアップル依存は、17年3月期は緩和される見通しだ。

16年の年初以降の受注急減によって資金繰りに苦しむJDI。現在、筆頭株主の官民ファンド、産業革新機構からの資金支援に向けて両社で議論を続けている。9日の記者会見で本間充会長兼最高経営責任者(CEO)は「革新機構とともに成長戦略を数値に落とし込んでおり(支援を)ご検討いただいている」と話すにとどめた。

(細川幸太郎)

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