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AIロボ 二足歩行めざす ソフトバンク、VB2社買収

ソフトバンクグループは米グーグルの持ち株会社アルファベットから、同社傘下のロボット開発ベンチャーの米ボストン・ダイナミクスとSCHAFT(シャフト)を買収することで合意した。両社は二足歩行などロボットを動かす制御技術に優れる。ソフトバンクは人工知能(AI)で感情を読み取るヒト型ロボット「ペッパー」を手掛けるが、メカ技術は苦手だ。両社の技術を取り込み、ロボット開発力を強化する。

買収額は非公表だが、数百億円とみられる。ボストン・ダイナミクスは1992年の創業で、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けて二足歩行ロボなどを開発してきた。

2013年にグーグルが約5億ドル(約550億円)で買収したが、開発の方向性などを巡って対立。グーグルが売却を模索していた。一方のSCHAFTは東京大学の出身者が設立したベンチャー企業で、DARPAが主催する災害救援ロボの大会で活躍。グーグルが13年に買収した。

2社はロボットの「筋肉」にあたるメカを操る技術で世界的に注目を集めている。最近はボストン・ダイナミクスが開発し、車輪付きの両足でスキーのスラロームのように動く「ハンドル」が話題を呼んでいた。

ただ、グーグルのロボット事業は事実上頓挫し、2社の行方が焦点となっていた。トヨタ自動車も16年、買収に名乗りを上げ、米アマゾン・ドット・コムも関心を示していたとされるが、ソフトバンクが競り勝った。

ソフトバンクは15年にペッパーでロボ分野に参入した。ペッパーは手や首は動くが、二足歩行ができない。歩行技術の獲得を狙い、実は水面下で「アシモ」を手掛けるホンダに提携を打診したが、条件が折り合わなかった。ソフトバンクは2社の買収で泣きどころのメカ技術を手に入れた。

通信が本業のソフトバンクがロボットに力を入れる背景には、孫正義社長の超長期の戦略がある。孫社長はAIが人類の知恵の総和を超える「シンギュラリティー」があと20年ほどで来ると予測する。

そうなれば「あらゆる産業が再定義される」が、最も変化が大きいと見るのが人間による単純労働の現場だ。「今後30年ほどでブルーカラーはメタルカラーに置き換わる。つまり、スマートロボットが社会を変える」と話す。

そんな時代を見据えた取り組みの第1弾がペッパーだった。最大の特徴は人の感情を読み取る技術にある。すでに2000社以上が導入しているが、ソフトバンクロボティクスの冨沢文秀社長も「客寄せパンダにとどまることが多い」と認める。段差を越えられないなど動きに制約が多く、役割が限られるからだ。

苦手だったメカの技術を手中にしたソフトバンク。孫社長もロボット事業は「すぐにカネになることはない」と認める。AIの進化をにらみ、長い視点でロボ戦略の第2幕に足を踏み入れる。

9日の東京株式市場では、ソフトバンクグループの株価が前日比700円(8%)高の9521円まで上昇し、2000年5月8日以来、約17年1カ月ぶりの高値を付けた。ベンチャー2社の買収で成長が加速するとの期待が高まった。

終値は655円(7%)高の9476円。終値をもとにしたソフトバンクの株式時価総額は10兆4298億円だった。

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