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デンソー、自動運転の半導体開発で新会社 幅広く採用めざす

デンソーは8日、自動運転に使う半導体の開発・設計を手がける新会社を9月に設立すると発表した。膨大な情報を効率的に処理するための次世代の半導体を開発する。デンソー本体ではなく、あえて新会社をつくるのはデンソー以外の自動車部品メーカーにも製品を採用してもらうため。幅広いメーカーに採用を働きかけて、業界標準の立場を狙う。

新会社は「エヌエスアイテクス」で、デンソーが全額出資する。社長にはデンソーの新見幸秀エグゼクティブアドバイザーが就く。新たに開発する半導体は、完成車メーカーと直接取引する「Tier1」と呼ばれる部品メーカーに採用を働きかける。デンソーと競合する企業も含まれるため、別会社として開発情報などが遮断できるようにする。

開発するのは、車載の画像センサーなどで集めた情報をもとに、どちらに進むべきかといった「判断」をつかさどる新しいタイプのプロセッサー。同時並行で複数の処理をするほか、不要な計算をやめられるような仕組みをとりいれることで効率的に動かすことができる。

パソコンなどに使われるCPU(中央演算処理装置)、人工知能(AI)で採用が広がるGPU(画像処理半導体)双方の長所を兼ね備えるほか、既存の製品を使う場合よりも消費電力を10分の1以下として、熱の発生も大幅に抑える。

新会社は半導体メーカーにIP(知的財産権)を提供し、ライセンス料を受け取る。デンソーを含めた自動車部品メーカーや完成車メーカーは、新開発の半導体上で動かす自動運転などのソフトウエアをそれぞれ開発する。

すでに顧客となる半導体メーカーに売り込みを始めており、「採用内定も近く出る」(新見氏)という。量産は2020年代前半になるとの見通しという。

自動運転の実現を見据えた車載半導体の分野では、米エヌビディアや米インテルなどIT業界からの攻勢が強まっている。新見氏は「彼らの不得意な領域を埋めるために新会社を設立した」とし、競合するのではなく開発分野を住み分ける狙いだと強調した。デンソーは車載半導体の開発から製造まで手掛けており、高い信頼性や耐久性が求められる車載向けのノウハウがある。

一方、デンソーとして自動運転技術を実現する時期については「自動車メーカーとの関係で申し上げられない」(新見氏)と述べるにとどめた。自動運転車の市場投入が相次ぐとみられる20年代前半をにらみ、開発を加速する。

(名古屋支社 横田祐介)

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