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DeNA ゲーム依存の営業増益 3月期、新事業は仕切り直し

ディー・エヌ・エー(DeNA)の成長戦略が迷走している。キュレーション(まとめ)サイトや自動運転など新規事業は頓挫や方針転換が続く。8日に発表した2017年3月期の連結営業利益予想は5%増の209億円。任天堂との協業を柱としたゲーム事業に頼る「一本足打法」からの脱却が遠のいている。

「第三者委員会の報告がまとまってから判断する」。医療情報サイトに端を発するキュレーション事業の不祥事。12月から全10サイトで非公開が続く。事業存続の可能性を問われ、守安功社長は明言を避けた。

16年4~12月期の売上高は前年同期並みの1087億円、営業利益は27%増の186億円。プロ球団「横浜DeNAベイスターズ」の人気上昇でスポーツ事業が好転し、モバイルゲームは任天堂との協業で配信した「スーパーマリオラン」の収益が寄与した。エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「17年中にゲームは回復する」とみる。

堅調な決算だったが、守安社長に笑みはない。キュレーション事業は10~12月期に念願の黒字転換を計画していたが、不祥事で営業赤字額が8億円余りに広がった。この事業は38億円の減損損失も計上し、17年1~3月期は売上高がゼロとなる。任天堂との協業で2月に配信した新作ゲームなどの収益を織り込んでいない17年3月期の売上高全体は1400億円と前期比3%減りそうだ。

守安社長には「ゲーム一本足」に戻ることへの危機感がある。自身が立ち上げた従来型携帯電話(ガラケー)向けゲームがけん引し、DeNAの13年3月期の営業利益は768億円に達した。スマートフォン(スマホ)シフトが進んでから下降し、16年3月期の利益は約4分の1まで減った。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントが近く「プレイステーション」の人気ゲームを活用してスマホゲームに参入するなど、競争も一段と激しくなる。

「インターネットの力で既存の巨大産業を変革する」。モバイルゲームの浮き沈みの激しさを知った守安社長はこう宣言し、新規事業創出に突き進んだ。遺伝子検査、キュレーション、自動運転――。ここ2~3年で華々しくデビューした新規事業はいずれも順風満帆とは言い難い。自動運転事業は15年に組んだZMPと縁を切り、新たに日産自動車をパートナーに選んだ。実証実験などに資金と時間をかけたが結果を出せず、一から仕切り直しとなる。

「DeNAはインターネットカンパニーだ」。守安社長は会見で新たな収益の柱を育てる方針を改めて表明した。キュレーション事業も「世間に受け入れてもらえる運営体制やビジネスモデルを協議している」と語った。ゲーム事業の高収益があだとなり、一本足から抜け出せないモバイル業界のジレンマ。その払拭に向け、守安DeNAが正念場を迎えている。

(新田祐司、南雲ジェーダ)

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