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楽天、海外5割目標遠く 英・スペインのネット通販閉鎖

楽天は海外の電子商取引(EC)事業を地域別に見直す。8日、欧州3カ国でインターネット通販サイトを閉鎖すると発表した。東南アジアでも通販サイトを閉鎖し、個人がネット上で中古品を売買するフリーマーケット事業に切り替える。楽天は電子書籍などの大型買収をテコに売上高の海外比率を5割に引き上げる計画を持つ。しかし、2020年とする目標達成のハードルは高い。

英国とスペイン、オーストリアの通販サイトと事業拠点を8月末までに閉鎖し、欧州全体で従業員を100人程度削減する計画だ。英国の調査会社ユーロモニターによると、欧州のネット通販市場における楽天の売上高シェアは各国で1%以下にとどまる。ネット通販の市場規模が大きいドイツとフランスに経営資源を集中するものの、各国で2割前後のシェアを握る米アマゾン・ドット・コムの背中は遠い。

2月にはタイでネット通販を手掛ける子会社を売却すると表明。インドネシアとシンガポール、マレーシアでは通販サイトを閉鎖し、個人がスマートフォンを使って中古品を売買するフリマサイトに事業を転換する。三木谷浩史社長は「物流面などの環境が未整備だった」と通販サイト閉鎖の理由を説明するものの、東南アジアに強い独ロケット・インターネット系のラザダや地場大手のネット通販事業者との競合も厳しかった。

ネット通販の「楽天市場」で創業した楽天は旅行や金融、プロ野球球団など国内での事業領域を拡大。10年以降は電子書籍販売のカナダのコボ、ネット通販大手の米イーベイツなど海外で大型買収を繰り返してきた。

200億~1000億円規模の買収を続けるなか、三木谷社長は14年に6%程度だった売上高の海外比率を「2020年には50%を目指す」と宣言。現行の中期経営計画でも20年に売上高を1兆7000億円、営業利益を3000億円といずれも現在の2倍に引き上げる目標を掲げている。

楽天のネット通販は出店企業が自由に自社サイトを構築できる「モール型」と呼ばれる。一方のアマゾンは企業の商品を買い取り、価格やサイトデザインなどのブランドを統一。短時間での商品配達、会員向けの動画・音楽の見放題・聞き放題など新たなサービスを次々に打ち出すアマゾンは日本国内でも利用者を拡大し、売り上げ規模では今や楽天に肩を並べる。

アマゾンなど競合企業に後れを取った結果、10カ国・地域以上に展開した楽天の海外ネット通販事業は米国や台湾など5カ国・地域に集約することになる。

15年12月期の連結決算国際会計基準)は過去に買収した企業ののれんの減損損失が発生し、営業利益は946億円と11%の減少に転じている。海外事業の業績への貢献度合いを公開しない楽天に対し、「海外の収益は相当厳しい」(国内証券アナリスト)との見方が多い。海外戦略を描き直し、早期に結果を出すことが求められている。

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