加熱式たばこ、世界3位も参戦 主戦場は日本

2016/11/8 17:45
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「ケント」や「クール」などの銘柄のたばこを販売するタバコ世界3位のブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)が日本で煙や灰が出ない加熱式たばこ市場に参入する。健康志向の高まりを受けて、日本で急速に普及する加熱式たばこは米フィリップ・モリス・インターナショナルや日本たばこ産業(JT)が先行し、BATは後発。それでもあえて投入する背景には、たばこ業界に久々に現れた「ゲームチェンジャー」への期待がある。

BATは加熱式タバコ「glo(グロー)」の発売を発表した(8日、東京都内)

BATは加熱式タバコ「glo(グロー)」の発売を発表した(8日、東京都内)

8日、都内でBATが開いた事業戦略説明会。加熱式たばこの新製品「glo(グロー)」を手にしたBATの次世代製品部門のグローバルマーケティング責任者、フレデリコ・モンテイロ氏は自信に満ちていた。「次世代たばこで真のリーダーを目指す」

■新ブランドを日本から立ち上げ

グローは「グローバルの総力を挙げて開発した」(モンテイロ氏)新製品。世界200以上の国・地域で展開する同社だが、この新ブランドの加熱式たばこを発売するのは日本が初めてだ。

副流煙やにおいを減らせるとして日本で急速に普及する加熱式たばこ。フィリップ・モリスの「アイコス」やJTの「プルーム・テック」が品薄になるなど、急速に普及している。右肩下がりの日本のたばこ市場にとっては、「ゲームチェンジャー」になり得る有望商品だ。

だからこそ、BATも力が入る。臭いや着色を抑える加熱式たばこの性能を高めた上、加熱部分とバッテリーを一体化した設計で、たばこを直接、加熱部分に差し込めるようにした。これで競合製品ではできなかった「何本でも連続で吸いたい」という要望にも応える。加熱器本体は8000円と、1万円近いアイコスより若干安めに設定。12月12日に仙台市で先行販売を始め、全国に広げていく計画だ。

■欧米では「電子たばこ」主流

実はBATは、健康に配慮した次世代たばこで実績がある。ペンのような形をした吸引器に香料入りの溶液などを入れて加熱し、蒸気を吸い込む「電子たばこ」では、欧州でシェア首位製品を抱えるほどだ。

欧米で次世代たばこといえば、この電子たばこが主流だが、日本では販売規制が厳しい。BATは加熱式を手掛けなければ日本の「次世代市場」を切り開けないと判断したようだ。

フィリップ・モリスも2016年に加熱式たばこに12億ドル(約1250億円)を投じる計画を進めるなど、競合も「加熱式」に注力する。英ユーロモニターインターナショナルによると、2015年の世界のたばこの販売数量は5兆5567億本で前年比1.8%減。世界的に右肩下がりのたばこ市場のなかにあっては、少子高齢化の日本市場といえども無視できないようだ。

BAT日本法人のパラツェッティ社長は日本の次世代タバコ市場について「急成長しており、2020年には現在の7~8倍の市場になる可能性がある」と力を込める。実際、2013年までほぼ存在していなかった次世代タバコの国内市場は15年には460万ドル(約4億8000万円)規模に急伸している。

縮小均衡のたばこ市場でBAT自身が「ゲームチェンジャー」になれるかどうか。加熱式たばこを巡る競争が熱を帯びそうだ。

(岸本まりみ)

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