2017年11月22日(水)

EV、世界で200万台販売 中国がシェアトップに

2017/6/8 12:10
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 国際エネルギー機関(IEA)は7日、電気自動車(EV)などの世界累計販売台数が2016年に約200万台に達したと発表した。政府が環境規制を強化している中国の伸びが大きく、米国を抜いてEVの世界シェアトップに躍り出た。自動車全体の中でのEVのシェアは0.2%にすぎないが、20年には累計2000万台に増えるとの予想もあり急速に市場が拡大している。

テスラは北京などでEVを販売(北京市)

中国16年倍増、世界シェア3割

 IEAがEVの国際的な普及団体などと組み、世界のEVとプラグインハイブリッド車(PHV)の台数を集計した。16年の累計台数は前年比6割増えて過去最高を更新。世界の中でも中国は65万台と倍増し、米国の56万台を追い抜いた。中国の世界シェアは前年の25%から32%に上昇した。

 中国政府は大気汚染への対応などからEVなどの普及に力を入れる。EVなどの「新エネルギー車」の販売義務付けも始める計画だ。日産自動車の中国合弁である東風日産乗用車が中国専用EVを発売するなど、各国のメーカーが販売競争にしのぎを削る。11年には中国のEV台数はわずか7000台だったが、14年以降急速に拡大。中国政府は20年までEV支援策を続ける方針で、普及の勢いは今後も続きそうだ。

 自動車登録に全体に占めるEVのシェアが高い国は欧州に集中する。首位はノルウェーで28.8%。次いでオランダの6.4%、スウェーデンの3.4%、フランスの1.5%、英国の1.4%などと続く。自動車大手が集まる国では、米国0.9%、ドイツ0.7%、日本は0.6%とまだ低い。主要国での最低はインドでほぼゼロだった。

 ちなみにノルウェーとオランダでは、25年からガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する動きがある。ノルウェーは国内に発電コストの安い水力発電所を多く抱えており、内燃機関の車と比べても通常のコストは安くなるのが特長。国産の原油・天然ガスを国内輸送用燃料に使う比率を下げ、輸出による外貨獲得を図るユニークな国だ。オランダも沖合の洋上風力発電設備の整備を進める。発電段階からの温暖化ガス削減に取り組む。

20年に累計2000万台の予測も

 EVやPHVの開発を巡っては、三菱自動車が世界初の量産電気自動車(EV)「アイ・ミーブ」を発売するなど当初は日本勢が先導してきた。足元では海外勢の存在感を高めている。米EVメーカーのテスラが急成長し、ゼネラル・モーターズ(GM)の「ボルト」などの販売も伸びている。

 EVで出遅れていたトヨタ自動車は20年までにEVの量産体制を整えて本格参入する方針を示した。フォルクスワーゲン(VW)、BMW、ダイムラーのドイツ勢は25年時点で新車販売の最大25%をEVにする計画。自動車大手だけでなく、部品や電池大手を巻き込んだ競争は激しくなる。

 IEAが調査会社の予測をまとめると、20年時点で累計900万~2000万台まで増えるという。最も保守的な予測でも今の4倍以上と成長率は高い。

 大きな課題は急速充電設備の整備だ。先行するノルウェーではEVの台数が急拡大したのに、充電拠点が追い付いていない地域もある。電力は貯蔵が難しいのも難点だ。IT(情報技術)による需給予測や分散型の風力・太陽光発電を組み合わせ、効率的に電力を供給する体制を築くかも課題になる。EV開発の裏側で、EV向け電力供給を巡るビジネスも成長しそうだ。

(栗原健太、加藤貴行)

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