ダイムラー、米個人間カーシェア大手に出資
傘下ブランドと統合
独ダイムラーは6日、子会社を通じて米国の個人間カーシェアリング大手トゥロに出資したと発表した。トゥロは全米の会員数が400万人以上、稼働する車は17万台以上にのぼる。ダイムラーは昨年立ち上げた個人間カーシェア事業をトゥロに統合する。ダイムラーは乗り捨て型カーシェアでは世界首位で、個人間とあわせてシェアリングエコノミー分野の事業拡大に動く。
個人間カーシェアを巡っては、トヨタ自動車も昨年、米ゲットアラウンドに出資しており、自動車大手が急速に接近している。日本ではディー・エヌ・エー(DeNA)が「Anyca(エニカ)」を立ち上げている。
ダイムラー金融部門の子会社ダイムラー・モビリティー・サービスが、トゥロが実施した総額9200万ドル(約100億円)の資金調達で最大の出資をするリードインベスターとなった。出資額や出資比率は非公表。ダイムラー系のほか韓国大手財閥系のSKホールディングス、保険会社、投資会社などもトゥロに出資した。
トゥロ(旧社名リレー・ライド)は米国の個人間カーシェアの草分けとされ、全米で事業を拡大してきた。一方、ダイムラーは自前の個人間カーシェア「グルーブ」を立ち上げ、昨年12月にミュンヘン、今年4月にベルリンで事業を始めたばかりだった。グルーブは実績の豊富なトゥロに統合し、需要拡大が見込める個人間カーシェアの市場に本格的に乗り出す。
ダイムラーは傘下に乗り捨て型カーシェア「カー2ゴー」やタクシー配車アプリの会社を抱え、欧米や中国で事業を広げてきた。同社が手がける、移動全般をカバーするモビリティーサービスの会員数は1500万人にのぼる。主に車の購入にこだわらない消費者のデータを集めながら、サービスの提供範囲を広げており、トゥロとの連携を通じサービスを多様化する。