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パナソニック社長「テスラと自動運転でも協業の可能性」

パナソニックの津賀一宏社長は6日、米ラスベガスで日本経済新聞などの取材に対し、電気自動車(EV)用電池の生産などで提携している米テスラモーターズと「自動運転でも協業の可能性がある」と述べ、提携拡大の検討を始めていると明らかにした。主なやりとりは以下の通り。

――テスラと共同運営するギガファクトリー(ネバダ州)で電池の量産が始まりました。

「テスラが販売する住宅や企業用蓄電池と、(テスラの量産型EVである)モデル3に供給する。モデル3の量産に対応するには電池の生産ラインを毎月1本ずつ増設する必要があり、まだまだ大変な状況は続く。ただ、電池の量産開始という一里塚にきて、安堵感と将来の可能性に興奮している。クルマの電動化に対し、自動車メーカーと一緒に自社の技術やモノづくりの力を使って貢献できていることに感動も覚えている」

――テスラと協業の範囲を広げるつもりはありますか。

「さまざまな領域で深掘りできる技術がないか検討している。すでに太陽光パネルや家庭用蓄電池では協業を決めた。パナソニックだけではできない部分で協力していきたい。自動運転でも可能性はある。テスラが秀でているソフトウエア分野では難しいものの、パナソニックの得意なセンサーなどで自動運転車にあった技術を提案していきたい」

――自社でさらに自動運転のコア技術を研究、開発していくべきではないでしょうか。

「コア以外の周辺分野にもビジネスチャンスはあると考えている。自動運転のコア技術がなにかを理解する必要があるため、小型のデモカーを開発し、センサーや人工知能(AI)の研究は進めている。自社でできることできないことをはっきり切り分ける。できないことは他社との協業で補いたい」

――年頭所感で改めて「選択と集中」を強調したが、その真意は。

「就任後に赤字事業をやめたり、減らしたりして収益改善を進めてきた。2016年度から成長フェーズに転換するつもりだったが、減収基調が続いている。市場が縮小する事業を多く抱えているためだ。そこで成長の可能性がある事業にリソースを集中させるべきだと判断し、選択と集中を進め、やめる勇気も必要だと掲げた。完全撤退には多額のコストがかかるため、どのような手段があるか内部でも検討している。太陽光パネル事業を例にとると、国内市場は縮小がとまらない。固定費を下げてじり貧覚悟でやるよりも、テスラと協業して一定の投資をしてでも海外に活路を求める道を選んだ」

――注力分野に掲げるBtoB(企業間取引)を北米で伸ばすとしています。

「欧米、特に米国市場は大きく、さらに伸び代もあると判断した。北米で得た知見を他の地域にもいかしていきたい。特に力をいれて開拓したいのが小売・外食業界とスタジアムやテーマ―パークなどのエンターテインメント業界だ。買収した業務用冷蔵庫大手の米ハスマンや、プロジェクター分野で提携する米ディズニーなどのパートナーと協力していきたい」

(ラスベガス=香月夏子)

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