2018年12月15日(土)

「アマゾン・コンビニ」まず米で数百店
ネット通販のインフラ応用

フィンテック
2016/12/6 22:06
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【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アマゾン・ドット・コムがコンビニエンスストア市場に参入する。米国を中心に実店舗を数年内に数百店は開く計画。ネット通販で扱いにくい生鮮食品や総菜を顧客を店舗に呼び込む形で拡販する。ネット通販で築き上げた細かな物流網と管理ソフトを実店舗にも応用する。ネット通販の弱点を補う形で実店舗を展開する。

センサーとカメラを張り巡らせ、レジや警備を無人化するコンビニ型の新店舗を5日発表した。入店時に客がゲートにスマートフォン(スマホ)をかざすと本人確認する。センサーなどが商品を認識し、退店時にスマホを通じて自動決済する。

同社のブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は「実店舗は顧客に商品を届ける選択肢を広げる実験の場」という。同社は通常、まず米国で始めた事業を世界に広げており、実店舗事業も将来的には日本を含めた海外で展開する可能性がある。

アマゾンは自前の物流網を持ち、ソフト力を駆使して日本のコンビニに匹敵する効率的な配送インフラを築いている。同社は都心部での生鮮食品の宅配地域を拡大しているが、国土が広い米国では配達は非効率になりがち。都心部でも配達時間を2時間より縮めるのは至難の業だ。

顧客の不在で品物がうまく届かない場合も多く、需要を取りこぼしている面がある。実店舗で宅配の「2時間の壁」を超えることを目指す。

米調査会社ニールセンによれば、北米の消費者のうちセルフ方式のレジを使う割合が41%に達し、45%は将来使いたいと回答している。45%は利便性を店を替える理由として挙げている。

米国のコンビニの売上高は65兆円程度で、小売り全体の1割以上を占める。ただ、ここ数年はほぼ横ばいの状況で成長分野とはいえない。

アマゾンがあえてここを狙うのは通販の弱点を実店舗で穴埋めするためだ。自動化により極限まで人件費を削り「セブンイレブンモデル」に代表される既存のコンビニ経営をさらに進化させようとしている。

今年の米年末商戦では、ネット販売のピーク「サイバーマンデー」の売上高が過去最高を更新した。実店舗がネットに押される構図が続くが、それでも小売りの9割はまだ実店舗を経由したものだ。商機は大きいとみてアマゾンは会計時の待ち時間ゼロという利便性を打ち出し、顧客層の拡大を狙う。

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