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EV普及、実用性の時代 新リーフ400キロ航続

日産自動車が電気自動車(EV)「リーフ」を初めて全面改良し、10月2日に国内で発売する。フル充電で走れる距離は従来の1.4倍の400キロメートル。近距離だけでなく電池切れの心配なく遠出できる。環境意識の高い人の乗り物から、使い勝手の良い生活に根付いた移動手段に――。世界的な「EVシフト」もありEVが本格普及する原動力となりそうだ。

日産自動車が発表した新型電気自動車「リーフ」(6日、千葉市美浜区の幕張メッセ)

「新型リーフは日産のコアになる商品だ」。千葉市で開いた発表会で、日産の西川広人社長はこう高らかに語った。西川社長によると「先代はEV時代の先駆者」。技術の日産を具現化し、次世代車のアピールという色彩が濃かった。

日産は2010年12月に初代リーフを発売。累計28万台超を販売し、これまでに世界で最も売れたEVとなった。ただ資本業務提携する仏ルノーなどを含めたEV累計販売は16年末時点で42万台にとどまり、カルロス・ゴーン会長が11年に掲げた「16年度までに累計販売150万台」との数値目標は達成できなかった。

初代リーフの販売が振るわなかった一因が、航続距離の短さだ。初代リーフの航続距離は200キロメートルと東京―大阪間の直線距離の半分程度。その後、280キロメートルまで延ばしたが長距離ドライブの途中で「電欠」してしまうことへの不安の声は根強かった。

電極素材の改良などにより、従来の1.3倍の40キロワット時の電池を搭載。平たんな道でエアコンを切った状態であれば航続距離は400キロメートルまで延び、EV普及の目安とされる320キロメートルを国産のEVで初めて上回った。商業施設や日産の販売店など国内約7200カ所に設置された急速充電器を使えば40分で電池容量の80%を充電できる。

当初は3つのグレードを用意し、価格は315万360~399万600円。EV購入者には航続距離1キロメートル当たり千円が国から支給される補助金制度があるため、新型リーフは40万円の補助が受けられる。実質的な購入者の負担額は約275万円からと、旧型と同水準に抑えた。

米国とカナダ、欧州でも18年1月から購入者への引き渡しを始める。旧型の約2倍の年10万台規模の世界販売を目指す。

初代リーフの発売当初は日産が孤立していたEV市場だが、7年間で様変わりした。米テスラが7月に納車を始めた量産型EV「モデル3」の受注は約50万台に上る。部品点数が少なく参入障壁が低いとされるEV市場では新興勢力が台頭しつつある。英仏政府が40年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出すなど、各国の環境規制強化もEV普及に追い風だ。

富士経済によると16年の世界EV販売は46万9100台。自動車販売全体の0.5%にすぎないが、各国の環境規制強化に伴い35年には16年の13倍の629万8000台に伸び、市場全体に占める比率も4.6%に高まるとみられている。

そのなかでリーダー争いも激しくなりそうだ。巧みなイメージ戦略で注目を集めるテスラだが、最新のモデル3の量産が軌道に乗るかは不透明との声は多い。日産のリーフの走行距離は累計で35億キロメートルを超えるが、深刻な電池の事故は一件も発生していない。ダニエレ・スキラッチ副社長は「生産実績などでテスラにはない強みがある」と語る。

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