2019年8月20日(火)

「都心のローカル線」活性化、街の情緒で 東急池上線

2017/9/6 16:12
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東京急行電鉄は6日、東京都の大田区と品川区にまたがる池上線の活性化プロジェクトを始めると発表した。全15駅ごとに観光名所を選んだほか、「東急(とうきゅう)」にちなんで10月9日に1日乗車券を無料で配布する。地方都市に比べて首都圏は人口も多いが、将来は沿線人口の減少は避けられない。住民を増やすためにも沿線の魅力向上は急務。私鉄各社も同様の事情を抱える中、東急は池上線の活性化に動き出した。

品川・大田の両区長とともに池上線の活性化プロジェクトを発表した、東急電鉄の野本弘文社長(中央、6日)

「池上線は昔ながらの面影を残している。その魅力を多くの人に知ってもらいたい」。東急の野本弘文社長は都内で開いた記者会見で強調した。

池上線は五反田(品川区)―蒲田(大田区)で全長は10.9キロメートル。18年には全線開通から90年を迎える。沿線には下町情緒あふれる商店街で有名な戸越銀座駅、勝海舟にゆかりのある洗足池駅、池上本門寺の最寄り駅となる池上駅がある。

私鉄が手掛ける地域の活性化といえば、駅前に大型商業施設を建設するといった再開発が一般的。だが、今回は街並みや情緒を残しつつ、沿線の魅力を掘り起こして発信する。

東急の調査によれば、池上線の認知度は54.3%と、東横線と比べて約20ポイント低い。両区や住民らとともに「生活名所」と称し、全15駅ごとの名所などを選んだ。戸越銀座駅の「焼鳥エビス」や石川台駅の雪見坂、蓮沼駅のセレクトショップ「鈴木商店」などで、周遊ツアーも実施する。

池上線の利用人数は1日平均24万人だが「10~15年後には減少傾向に向かう」(鉄道事業本部の平江良成課長)とみる。減少になる前に活性化対策をとることが不可欠だとみて、空き家などをリノベーション(大規模改修)する取り組みも専門業者とともに始めた。

東急電鉄といえば、代官山や自由が丘などを通る東横線が代表的な路線だが、多摩川線や世田谷線などのローカル線も数多く、いずれも活性化が必要になるとみる。池上線のプロジェクトは同様の路線を持つ首都圏の私鉄各社を刺激しそうだ。

(岩本圭剛)

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