3Dプリンターで何でも受発注できます 仏ダッソーが仲介

2017/6/6 15:13
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バーチャル空間でどんな製品も受発注できます――。3次元(3D)CAD(コンピューターによる設計)用ソフトウエアの世界大手、仏ダッソー・システムズは6日、メーカーと3Dプリンターの橋渡し役をする事業を始めると明らかにした。ダッソーがネット上で両者を仲介し、メーカーは製品や部品の設計情報や求めるコストを専用ページに送ると3Dプリンター製の模型が届く仕組み。製造業のデジタル化が一段と加速しそうだ。

事業戦略を説明する仏ダッソー・システムズのシャーレスCEO(6日、東京都内)

「製造がサービスになる」――。同社のベルナール・シャーレス最高経営責任者(CEO)は6日、都内で開いた記者説明会でこう訴えた。

新サービスは9月から順次始め、日本は2018年前半から利用できるようになる。ダッソーは、顧客となるメーカーが材料やコストなどの条件をもとに最適な3Dプリンティングの提供企業を選べるようにする。また、ダッソーが製品の支払い管理などを担い、顧客は試作品にとどまらず、多品種少量生産の最終製品までカバーできる。

ダッソーは製品の設計からマーケティングまで3Dモデルを活用して支援するソフトを手がけてきた。この派生として、企業同士がつながる場を設け、実際の製品づくりまで支援する。さらに3Dプリンター関連にとどまらず、さまざまな工場とも結ぶ予定。日本でも工場をもたずに生産できるファブレス化が一段と進む可能性がある。

世界のIT(情報技術)大手などは近年、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」のデータをやりとりするプラットフォームの整備と使い勝手で競う。3DのCADで世界に知られるダッソーもこの基盤を運営する「プラットフォーマー」に名乗りを上げた格好だ。

ダッソーは日本で自動車や産業機械など主に製造業向けに、3DCADソフト「CATIA(キャティア)」や工場の自動化・管理ソフトなどを提供してきた。ダッソーのアジア事業の比率は2割強。このうち日本が占める割合は5割を超え、重点地域として体制を強化してきた。

昨年10月には東京と名古屋に初めて研究開発拠点を開設。日本企業向けに製品の設計やモックアップ(模型)の作製、設備や人員の最適配置などを3Dモデルを活用して支援するソフト「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」の研究開発を始めている。

同社は2016年12月期までの3年間で日本事業の売上高を約3割増となる500億円に引き上げる目標を掲げていた。日本法人の実際の売上高は非公表だが、目標は達成したという。新たにデジタル時代にあった製造業の橋渡し役となり、日本事業を一段と拡大する戦略だ。

オンライン経由の3Dプリンターでの製品受発注の試みは各地で広がっている。独SAPは米UPSと組み、翌日に製品が届くサービスを展開。SAPは企業の財務・会計や調達などあらゆるシステムを網羅する統合基幹業務システム(ERP)の大手。ソフトをつくって複製するのと同じ感覚で、製品をつくる時代が本格的に到来してきた。

(若狭美緒)

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