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WD、経営関与弱める譲歩案 東芝半導体の買収で

東芝の半導体メモリー子会社「東芝メモリ」の売却交渉で、米ウエスタンデジタル(WD)陣営が経営関与を弱める譲歩案を示したことが5日わかった。買収当初にWDは資金拠出を見送り、独占禁止法の審査を通りやすくする狙いがある。最終交渉の争点となっていた将来のWDの議決権を巡っては、なお協議を続けており、東芝はWD陣営との早期の最終契約締結を目指す。

WDは東芝と共同投資してきた四日市工場(三重県四日市市)の生産設備の買い戻しを求めている

WD陣営の新たな買収提案は、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と産業革新機構、日本政策投資銀行の3社が中心となって特別目的会社(SPC)を設置。国内の大手銀行が融資の形で資金を拠出して総額約2兆円で東芝メモリを買収する。WDが買収時に1500億円を拠出する案は撤回する。

買収時点で競合のWDが資金を出さないことで独禁法審査を通りやすくする狙い。ただWDは将来の議決権獲得を諦めていないもようで、各国の独禁法当局が未来の出資構成についてどう判断するかは見通しにくい。

東芝の上場維持のためには2018年3月に東芝メモリを売却し債務超過を解消することが必要。残り時間が少なくなっている今、焦点となっているWDの将来の議決権などを巡って詰めの協議を急ぐ。

WDは買収時点の資金拠出を見送る代わりに、共同投資してきた四日市工場(三重県四日市市)の生産設備の買い戻しを求めている。東芝は08年に協業先だった米サンディスクが韓国サムスン電子に買収提案を受けた際、同工場のサンディスク保有分の生産設備を買い取って資金支援した経緯がある。結果的にサンディスクの株価が上昇し、サムスンの買収提案を退けた。

東芝は約1000億円分の生産設備をサンディスクから購入しており、WDはこの設備を買い戻したい考えだ。両社は生産設備の保有分に応じて半導体ウエハーを分け合う契約を結んでおり、09年以降は東芝が6割弱、WDが4割強の比率で受け取ってきた。メモリー不足の今、WDはすぐに生産能力を増やす手段として、東芝メモリへの出資ではなく生産設備の買い戻しを選んだもよう。

四日市工場を巡っては東芝が8月上旬に新製造棟での単独投資を表明し、最先端のメモリー製品を確保できないWD側が反発していた。WDは新製造棟についても従来の共同投資の枠組みを維持するよう東芝側に求めている。

東芝とWDは8月下旬にトップ会談し、WD陣営を有力な売却先として契約書作成などの詰めの交渉を進めてきた。しかし期限とした8月末でも折り合えず、東芝は残る2陣営とともに「3陣営と継続交渉する」と表明していた。

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