2018年2月20日(火)

クックパッド、内紛の代償 株価が2週間で3割超下落

2016/2/6 0:19
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 料理レシピサイトのクックパッドで突如起きた「内紛」がひとまず収束した。5日、自身を除く取締役全員の交代を求めた創業者の株主提案を会社側の取締役選任案と一本化することで合意したと発表した。創業者の意向を反映した選任案をまとめ、3月の定時株主総会に諮る。2週間あまりで株価が3割超も下落するなか、内紛の原因となった経営方針の方向性を示すことはなく、問題の根本的な解決は先送りした格好だ。

 クックパッドが5日発表した2015年12月期の連結決算(国際会計基準)は純利益が40億円。決算期や会計基準の変更で単純比較はできないものの、14年の同期間を70%上回った。運営するレシピサイト「クックパッド」の15年末の有料会員数が14年末より30万人増え、180万人近くに達したことが押し上げた。

 業績好調のクックパッドに異変が起きたのは1月19日。創業者で筆頭株主の取締役、佐野陽光氏から経営陣の刷新を求める株主提案を受けたと発表した。株主提案について、佐野氏は25日に見解を発表。「最近の経営は『料理』から離れた分野への展開ばかりが目立ち、クックパッドのポテンシャルをないがしろにしている」と批判した。

 佐野氏は株式の44%を保有し、総会決議では圧倒的に有利な立場にある。佐野氏が批判の矛先を向けたのは12年5月に佐野氏から社長を引き継いだ穐田誉輝氏が進める多角化路線だ。結婚式場口コミサイトを運営するみんなのウェディングなどを買収し、「料理を中心とした生活インフラ」を目標に掲げている。

 穐田氏の社長就任以降、クックパッドの業績は右肩上がり。株主提案が明らかになった1月19日までの4年足らずで時価総額は約6倍に拡大した。穐田氏の手腕が市場から高く評価されるなか、「『食』へのこだわりが強い佐野氏との溝は深まっていった」。社内関係者はこう打ち明ける。

 クックパッドの株価は5日の株式市場でも続落。一時は107円(7%)安の1372円となり、およそ1年1カ月ぶりの安値をつけた。1月19日の発表以降の株価下落率は3割強、この間に時価総額は800億円近くが目減りした計算になる。5日の投資家向け決算説明会では「一本化できてよかった」「これで株価は反転する」といった声が参加者から相次いだ。

 問題の表面化以降、佐野氏も穐田氏も公の場には姿を見せず、水面下で歩み寄りの可能性を探ってきたとみられる。両者が合意に達したのは決算発表の当日だった。ある取締役は「創業者と社長が仲直りをしただけ。新しい体制も今後の経営方針も決まっていない」と話す。「株価の急落は佐野氏の提案に市場が示した不支持。企業価値向上にはこうした事態を再発させない仕組みづくり、経営努力が求められる」。ドイツ証券の風早隆弘氏はこう指摘する。

(花田亮輔、井川遼)

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