2019年6月20日(木)

タイヤ名門の伊ピレリ、10月再上場へ 中国企業傘下で事業拡大

2017/9/5 11:34
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イタリアのタイヤ大手ピレリは4日、10月にミラノ証券取引所に再上場すると発表した。ピレリは2015年に中国国有化学大手、中国化工集団(ケムチャイナ)の傘下に入り上場廃止となっていた。再上場を機に中国マネーを生かしつつ高級タイヤブランドを前面に出し、現時点でもブリヂストンや仏ミシュランなどの同業を上回る収益性を一段と高める。

ピレリのトロンケッティ・プロベーラCEOは中国化工傘下入りから2年で再上場を決めた

ピレリが1日付でミラノ証券取引所を運営するボルサ・イタリアーノに上場を申請した。上場審査などを経て、ピレリの全株式を保有する投資会社マルコ・ポーロ・インターナショナル・イタリーが最大40%を売り出す予定だ。マルコ・ポーロは中国化工の傘下企業が65%を出資する筆頭株主で、ピレリのマルコ・トロンケッティ・プロベーラ最高経営責任者(CEO)やイタリア銀行大手などが主導する投資会社も22.4%出資している。

ピレリは1872年創業のイタリア製造業を代表する企業。近年は自動車レースの最高峰「F1」へのタイヤの独占供給でも知られる。中国化工の傘下で一般消費者向けタイヤに経営資源を集中し、16年12月期の調整後の売上高営業利益率は17%と14年12月から2ポイント向上した。規模ではピレリより大きい同業のブリヂストンやミシュラン、米グッドイヤー、独コンチネンタルを上回る収益性を誇る。

1日に発表した16~20年の経営戦略では、同社が強い欧州とタイヤ需要が伸びる中国、ブラジルに絞りながら年平均9%の増収をめざす計画。20年12月期には営業利益率を最大19.5%まで高め、売上高の高級品比率を63%と5年で8ポイント高める目標も打ち出した。ロイター通信は、上場時の時価総額が76億~87億ユーロ(約9880億~1兆1310億円)になるとのアナリストの見通しを報じている。15年11月の上場廃止時の時価総額73億ユーロより高く評価される見通しだ。

トロンケッティ・プロベーラCEOは1992年からピレリを率い、イタリア産業界を代表する人物。中国化工の買収の際には、ミラノにイタリアに本社や研究開発拠点を残すことを認めさせた。2年前の日本経済新聞の取材では「欧州に重要なのはブランドと技術だ」と指摘。欧米の一部にある中国脅威論を批判し、中国マネーを活用しながら自らの強みを磨き新興国での事業も伸ばす考えを示していた。

中国マネーと高級ブランドの組み合わせでは、スウェーデンの高級車大手、ボルボ・カーは10年に中国・浙江吉利控股集団の傘下に入り、経営を再建。販売台数、収益とも過去最高を記録し、上場も視野に入れている。ピレリのケースも両者が組んだ成功例の一つといえそうだ。

(加藤貴行)

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