2017年12月11日(月)

独シーメンスと米GE、「脱原発」業績けん引

2017/5/4 20:19
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 重電世界2強の独シーメンスと米ゼネラル・エレクトリック(GE)の業績が堅調だ。けん引役は電力事業。天然ガスで発電するガスタービンや風力発電向け機器などが好調だ。両社ともに2011年3月の日本の東日本大震災を機に原発事業から距離を置き、経営資源を火力や再生エネルギーにシフト。原発に注力し続けた東芝との明暗が分かれた。

 シーメンスが4日発表した17年1~3月期純利益は0.2%増の14億8300万ユーロ(約1800億円)。風力・再生エネ部門は13%増と5四半期連続で前年同期に比べ増収増益となった。

 シーメンスは11年に原子力発電事業からの撤退を決定。11年3月の東京電力(当時)の福島第1原子力発電所事故とドイツ政府による22年までの原発停止の方針が契機だった。一方、今年4月にはスペインの風力発電設備大手ガメサの買収を完了、風力発電事業の売上高は110億ユーロに上る。

 「電力が強い四半期だった」。GEのジェフ・イメルト最高経営責任者(CEO)は電力ビジネスに自信を深める。17年1~3月期は最終黒字に転換。15年に完了した仏アルストムの電力部門買収で高効率蒸気タービンを手に入れ、GEのガスタービンを組み合わせた発電設備が好調だ。再生エネの売上高も22%増と弾みがついてきた。

 シーメンスとGEの共通点は福島の事故を契機に原発から本格的に距離を置き、電力事業の成長を天然ガスと再生エネ分野に明確に求め始めたことだ。両社は100年以上の歴史を持つが電力は中核事業であり続けた。世界の発電エネルギー事情の変化に適応してきたからこそ、電力ビジネスで勝ち残ってきた。

 一方の東芝は福島の事故後も原発にこだわり続けた。「原発売上高の1兆円の旗は下ろさない」。11年4月、米原発大手ウエスチングハウス(WH)買収の立役者の一人だった佐々木則夫社長(当時)は15年度の達成時期は遅れるが、原発受注が拡大するとみた。資源のない国内でのビジネスが中心の東芝はGEやシーメンスのように簡単には原発事業と距離を置けない面もあったが、佐々木氏の後任社長の田中久雄氏も「原発1兆円」にこだわった。

 福島事故前、業績面で開きはあったものの、東芝は火力や再生エネ分野などで2強に挑戦できる立場にあった。東芝が原発で四苦八苦する間、GEとシーメンスは電力事業の内容の組み替えを着実に進めた。世界のエネルギー情勢の変化への判断で明暗が分かれた。

(ニューヨーク=稲井創一、フランクフルト=深尾幸生)

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