大手百貨店4社増収 3月、訪日需要が下支え
大手百貨店5社が3日発表した3月の売上高(既存店ベース、速報値)は高島屋など4社が増収だった。気温が低い日が多く、春物衣料の動きが鈍かったが減少が続いていたインバウンド(訪日外国人)需要の落ち込みが一服した。食品はホワイトデーなどの催事で和洋菓子が堅調だった一方、生鮮食品は苦戦した。
高島屋は前年同月比2.4%増だった。免税売上高は化粧品などの消耗品と衣料雑貨のどちらも前年を上回り、50.8%増と好調だった。円安や株高の影響を受けて宝飾品も10.5%増と伸びた。
阪急阪神百貨店は化粧品や婦人のハンドバッグがけん引し、1.1%増と4カ月連続のプラスとなった。国内消費者とインバウンドそれぞれで売り上げが共に前年を上回った。「春物衣料の動き出しだけ鈍く、4月からは需要を取り込みたい」(同社)としている。
三越伊勢丹は0.7%増、大丸松坂屋は0.2%増だった。大丸松坂屋は春物衣料の低迷を27.2%増となったインバウンド売り上げが補った。「インバウンドの影響が大きい。中間層が慎重なのは変わらないので、催事などの『コト消費』を強化したい」(同社)と話す。
唯一減収だったのはそごう・西武で1.4%減だった。スポーツ用品や食品が好調に推移したが、婦人服が伸び悩んだ。