「ディスプレー、競争の土俵変わる」 シャープ・鴻海一問一答
シャープの高橋興三社長と鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長は2日、共同出資会社の堺ディスプレイプロダクト(堺市)で記者会見を開いた。両者の一問一答は以下のとおり。
――シャープはなぜ鴻海を選んだのか。

高橋氏「既に工場を共同運営した経験があり、高度な技術を持つことも分かっている。鴻海のスピードとパワーはすさまじい。融合すればもっと大きな潜在能力があると強く感じた」
――シャープを何年で黒字化するのか。
郭氏「皆さん以上に早くしたいと思っている。私は日本文化から多くのことを学んだ。黒字化まで2年と思ったら(控えめに)4年と申し上げる」
「シャープにはテレビや空気清浄機など国内トップシェアの製品もある。鴻海の能力を十分に活用しコスト削減、品質向上、開発の迅速化に取り組んでいく。我々ができることは全てやる」
――シャープは66%出資を受け入れる。高橋社長の受け止め方は。
高橋氏「鴻海は『買収ではなく投資だ』と言ってくれた。シャープの社員は自分達で立っていかないといけない。そう強く意識している」
――有機ELで先行する韓国サムスン電子にどう追いつくのか。
郭氏「ディスプレー産業は今、競争の土俵が変わるタイミングを迎えている。有機ELとシャープが得意な液晶の省エネ技術『IGZO(イグゾー)』が競っている。我々は新しい技術に目を向けていきたい。ためらっていると次世代技術に一気に置いていかれてしまう。勝つのは素早く動く陣営になるだろう」
――退職者をどれくらい見積もっているのか。
郭氏「鴻海では毎年、個人の業績を理由に3~5%の人に辞めてもらっている。日本については、最善を尽くして今いる人が全員残ってもらえるようにしていきたいと考えている。適材適所の配置を見つける努力によって、なるべく全員残ってもらえるようにしたい」
――出資金額を減額した。さらに減額する可能性はあるか。
郭氏「既に契約を締結したのでそれはあり得ない。過去は過去だ。価格の話よりも将来の価値について考えたい」
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