ヤマハ発、医療機器に参入 ロボ技術応用で創薬・研究支援

2017/9/1 23:26
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ヤマハ発動機は1日、産業用ロボットの技術を応用し、医療分野に参入すると発表した。第1弾として医薬品の開発に欠かせない細胞の培養工程を効率化する装置を発売し、今後も製薬会社や研究機関の創薬を支援するロボを開発していく。医療分野は技術面で参入障壁が高く、高収益も期待できる。日本や欧米の異業種が中国など新興国の企業と競合が少ない成長市場として参入する動きが広がってきた。

ヤマハ発は細胞培養の支援機器「セルハンドラー」を開発し、8月31日に1号機を福島県立医科大学(福島市)に納入した。新薬の効果を評価する際に細胞を選択して移し替え、撮影し、培養プレートに載せる工程を自動化した。

電子部品をプリント基板に素早く大量に並べる表面実装機の技術を応用。細胞を拾い上げてからプレートに載せるまでの時間を人間による作業の約15分の1に短縮できるという。価格は標準的な仕様で約6000万円。今後1年間で5台の販売を計画し、3年後の黒字化を目指す。

ヤマハ発は二輪車が売上高の約6割を占め、産業用ロボットの売り上げは約469億円(2016年12月期)と5%に満たない。二輪車の生産ラインに使っていた機器を外販する形で1981年に参入した歴史の比較的浅い事業だ。ただ、営業利益率は2割を超える。

産業ロボの主力である表面実装機は世界シェアが2割超まで伸びたが、最近はパナソニックなど大手との競争も増えている。参入した医療分野では機器の開発を続けるほか、関連サービスも手がける方針。二輪車市場が成熟するなか、新たな成長の種として育てる。

世界の産業界では、先進国の高齢化や新興国の医療水準の向上を受け、医療関連産業に経営資源を割く企業が増えている。総合電機大手だったオランダ・フィリップスは00年代から半導体やテレビの事業を次々と手放し、医療機器専業メーカーへと事実上変身した。

日本でもキヤノンが16年、6655億円を投じてコンピューター断層撮影装置(CT)などを手がける東芝メディカルシステムズを買収。パナソニックは京都大学と共同開発したiPS細胞の自動培養装置の販売を8月に始めるなど、ヤマハ発と同様に産業機器の技術を応用する例も相次いでいる。

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