新日鉄住金会長、タタ製鉄との合弁で新工場「最新設備を提供」
【ジャムシェドプール(インド東部)=中村元】新日鉄住金は1日、インド鉄鋼大手であるタタ製鉄と合弁で車用鋼板を製造する新工場の開所式を開いた。宗岡正二会長は挨拶で、「新日鉄住金からは最新鋭の設備と、最先端の製造技術を提供した」と語った。自動車の軽量化や衝突安全性向上で需要拡大が見込まれる高張力鋼板(ハイテン)を現地生産し、インド市場を開拓する。
新工場はタタ製鉄が51%、残りを新日鉄住金が出資し、タタ製鉄の基幹拠点であるジャムシェドプール製鉄所(ジャルカンド州)の構内に約370億円を投じて建設、5月に稼働した。年内には自動車向け鋼板を供給する。生産能力は年60万トン。新工場ではインド市場でのニーズが高まっている590メガ(メガは100万)パスカル級のハイテンを生産する。
宗岡会長は「ここ2~3年は成長が鈍化していたインドの自動車産業だが、モディ新政権の誕生で消費マインドが改善し、販売も増加基調だ」と車用鋼板の需要拡大への自信を語った。
同日の式典にはタタ製鉄会長で、タタ・グループ総帥を務めるサイラス・ミストリー氏も参加。「新工場が生産する高品質な鋼板は、インドの自動車市場の発展に大きく貢献する」と語った。