中国スマホ市場、OPPOがシェア初首位 新興勢台頭
【広州=中村裕】中国のスマートフォン(スマホ)市場で新興勢の勢いが止まらない。7~9月期の出荷台数シェア(米IDC調べ)で地元の新興メーカーのOPPO(オッポ)が初めて首位に立った。シェアは17.5%に達し、前年同期の2倍近くになった。2位も地元新興メーカーのvivo(ビボ)。2社は米アップルや地元大手の華為技術(ファーウェイ)、小米(シャオミ)などを退け、躍進を印象づけた。
vivoのシェアは16.7%で、OPPOと合わせると34.2%に達した。中国で販売されるスマホは3台に1台が新興2社の商品となった。
両社はともに南部の広東省に本社を置く。昨年後半からテレビや街頭で派手な宣伝を繰り返し、一気に知名度を上げた。
インターネット販売を強化したり、低価格品の展開が続いたりした従来の中国勢と一線を画す。5万~6万円の中高級価格帯の商品を中心に店頭販売を重視し、丁寧な接客を行う戦略が奏功した。
一方、大手は軒並み苦戦を強いられた。過去1年間、中国で首位が続いたファーウェイは3位に転落した。15年に年間首位だった小米は特に不振が深刻で、7~9月期の出荷台数は42%減。OPPOの約半分の8.7%で、前年同期の15.9%から大きく落ち込んだ。アップルも11.4%から7.1%に急低下した。
中国は世界最大のスマホ市場で、7~9月期の出荷は5.8%増の1億1510万台。大手は巻き返しを図るとみられ、新興勢との争いは一段と激しさを増しそうだ。