2019年2月17日(日)

ベトナム政府、台湾プラスチックに罰金510億円

2016/6/30 23:30
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【ハノイ=富山篤】ベトナム政府は30日、中部ハティン省に大型製鉄所を建設中の台湾化学最大手、台湾塑膠工業(台湾プラスチック)グループに対し、同製鉄所の廃液が周辺で起きた魚の大量死と関連するとして、罰金5億ドル(約510億円)を命じた。同製鉄所は当初6月下旬に稼働予定だったが、環境対策を改善し7~9月中の操業開始をめざす。

ベトナム天然資源環境省などが同日に記者会見して発表した調査結果によると、4月に同製鉄所が地下に埋めたパイプを通じ排出した廃液がハティン省近海で魚の大量死を引き起こしたという。

台プラは今後、汚染物質を検査しやすいように同パイプを地表に移すなどの対策をとる。その後、当局の検査を受け、製鉄所の操業を開始できるかが決まる。

台プラ現地法人の陳源成董事長はハノイの会見にビデオメッセージを送り、「下請け工事に問題があった。今後は環境対策に最大限の努力を払う」と謝罪。ベトナムのチャン・ホン・ハ天然資源環境相は「5億ドルは補償と原状回復にかかる最低限の費用」と説明した。

同製鉄所はベトナム初の大型高炉で、国内での鉄鋼生産を強化したいベトナムの国家的な最重要プロジェクトのひとつ。現状は中国からの輸入に頼っている。当初は6月25日に操業開始である「火入れ」を実施する予定だった。運営には日本のJFEグループも参画する。

当初ハティン省周辺だけだった魚の大量死は、その後ほかの地域にも波及。台プラの製鉄所との関連は不明だが、国民の不安は高まり、水産物が売れない状況が続く。外資の工場に対する反感も強くなっている。

企業誘致や産業育成を重視する傾向にあったベトナム政府は、世論に対応せざるを得なくなったようだ。5億ドルの罰金はベトナムでの一企業に対する罰金としては過去最高水準とみられる。

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