シンガポール不動産大手キャピタランド、1~3月77%増益

2017/4/28 20:08
保存
共有
印刷
その他

■キャピタランド(シンガポールの不動産大手) 1~3月期の純利益は77%増の3億8670万シンガポールドル(約308億円)だった。国内の高級コンドミニアム「ザ・ナッシム」を投資会社に売却したことが寄与した。

キャピタランドは中国市場が最大の収益源であることは変わらないが、ベトナムなど中国以外の域内市場への多様化も図っている。

増益の大部分は「ザ・ナッシム」を同国のユナイテッド・オーバーシーズ銀行の名誉会長で大物実業家のウィー・チョーヨー氏が所有する投資会社に売却して得た利益1億6090万シンガポールドルによるものだ。

キャピタランドは1月、売れ残りの45戸を4億1160万シンガポールドルの割引価格でウィー氏に売却した。これらを維持することでかかるコストを避けるためだ。住宅1戸当たりの価格は同コンドミニアムで既に販売済みの10戸の平均価格より18%低かった。同国の法律では、売れ残りの不動産物件を一定期間保有した場合、不動産開発業者に罰金が科される。

この売却益を除くと、前年と比べた利益の伸び率は3.5%と大幅に減る。中国での売上原価の低下が主な要因だ。売上高は、前年比0.4%増の8億9750万シンガポールドルだった。

シンガポールの住宅市場と並び、中国は依然として同社の中核市場だ。中国での売上高は前年比66%増の4億4410万シンガポールドルで、全体の約半分を占めた。だが、中国でのEBIT(利払い前・税引き前利益)は、評価益の減少で前年比13.5%減となった。中国はEBIT全体の3分の1を占めた。

キャピタランドは6月までに上海市長寧区と浙江省杭州市、広東省深圳市の「ラッフルズ・シティ」と呼ばれる複合施設のショッピングモール部分を開業する予定。

同社が中国で事業の拡大を継続する中、中国政府の不動産投資規制策は懸念材料だ。同社は決算報告書で、この政策は「住宅市場や地価にいくらか影響し始めている」と指摘した。一方で、売上高への影響については、投機目的でない購入者に対象を絞っていることから「限定的」としている。(シンガポール=谷繭子)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]