2019年7月17日(水)

中国、食の安全に商機 NZフォンテラは粉ミルク供給
外国勢が相次ぎ提携 米ファンドKKR、設備刷新に資金

2014/8/28 2:00
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「食の安全」を揺るがす問題が絶えない中国に、外国の食品関連メーカーなどが相次ぎ進出している。ニュージーランドの乳業最大手フォンテラは27日、中国の同業大手との資本提携を発表した。中国では高価でも信頼性の高い海外の製品や技術を求めるニーズが高い。食の安全性を高めるためには企業規模の拡大も不可欠と指摘され、再編機運も高まりつつある。

中国の粉ミルク市場は拡大が見込まれる(上海市内のスーパー)

中国の粉ミルク市場は拡大が見込まれる(上海市内のスーパー)

大連(遼寧省)市内の高級スーパー。27日夕、夕食の買い物をしていた主婦の畢(ひつ)さん(58)は精肉売り場でじっくり品定めしていた。「安全な肉のためならば市場価格の5倍でも6倍でも払う」と言い切る。

この日は家族3人で食べるスープを作るため、骨付きの豚肉を19元(約320円)で購入した。「放し飼いがいい。薬や飼料を使い短期間で育てたような家畜、鶏肉は絶対に買わない」という。

7月に中国の食品加工会社、上海福喜食品が使用期限切れの食肉を使っていた問題が発覚して以来、中国では食品の品質に対するこだわりが一段と高まっている。こうした需要を取り込もうと、中国に進出する外国企業や投資会社が出てきた。

米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は中国最大の養鶏・鶏肉加工業者である福建聖農発展に4億ドル(約415億円)出資し、株式の18%を取得すると26日発表した。KKR中国のデビッド・リュー最高経営責任者(CEO)は「福建聖農の市場シェアを伸ばし、中国の消費者に安全で品質の高い鶏肉を届けたい」と語る。

福建聖農は「ケンタッキー・フライド・チキン」「マクドナルド」などファストフード大手を顧客に持つ。KKRの投資資金で生産設備を一段と近代化し、大型化も進める。米農務省によると飼育から加工、配送まで一貫して手がける中国の大規模生産者は全体の約3割。2007年の12%からは増えたが、米国の95%とは差が大きい。

中国では食の安全を揺るがす問題が絶えない
時期概要
2008年中国製冷凍ギョーザによる中毒事件が日本で発覚
中国国内で有害物質メラミン入りの粉ミルクが流通
11年肉の赤身を増やす違法薬物の豚への投与が明らかに
亜硝酸塩混入の牛乳を飲んだ乳幼児の死亡事件
上海市公安当局が使用禁止の着色料を使った蒸しパン業者を摘発
使用済みの油を食用油として使う「地溝油(どぶ油)」が社会問題化
13年カドミウム汚染米の流通が発覚
14年上海の米系食肉加工会社が使用期限切れ肉を使っていたことが発覚

一方、フォンテラのテオ・スピアリングス最高経営責任者(CEO)は27日、「中国における乳幼児用粉ミルクの品質と安全性の向上につなげる」との声明を発表し、中国の民営乳業大手、貝因美嬰童食品(浙江省)との資本提携にかける意気込みを示した。

提携の柱は、フォンテラが既存株主から株式を買い取り、最大2割まで出資することが一つ。もう一つは、オーストラリアで粉ミルク合弁会社を設立し、高品質な粉ミルク製品を中国市場に供給することだ。合弁事業の投資額は2億豪ドル(約190億円)を見込む。

08年に国産の粉ミルクに有害物質メラミンが混入していることが発覚して以降、粉ミルクは外国製品の独壇場だ。中国の粉ミルク市場は上位3社が米ミード・ジョンソン、スイスのネスレ、仏ダノン。それぞれ10%前後のシェアを握る。年産200万トンの乳製品を作り、世界140以上の国・地域で販売するフォンテラは中国市場開拓の好機とみて進出を急ぐ。

中国勢も生き残りに向けて動く。12年には乳業大手の蒙牛乳業(内モンゴル自治区)がデンマークの同業アーラ・フーズと提携。伊利実業(同)も13年に欧米大手2社と手を組んだ。外資が持つ品質・安全管理のノウハウを吸収する狙いだ。

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