アヤラ・コーポレーション、中国企業が共同事業提案

■アヤラ・コーポレーション(フィリピンの複合企業) ハイメ・アウグスト・ゾベル・デ・アヤラ会長は不動産やインフラ部門で、中国企業から共同事業の提案を受けており、複数の提案を検討中だと明らかにした。
インフラ部門の責任者ホセ・レネ・アルメンドラス氏は名前は挙げなかったが中国企業が鉄道事業に特に関心を示していると述べた。アヤラは同じくフィリピンの複合企業であるメトロ・パシフィック・インベストメンツと共同でマニラに20キロメートルの軽量鉄道を運営しており、両社は市内の他の鉄道事業への共同入札を検討している。三菱商事を株主に持つアヤラは首都以外での鉄道事業や、民営化される道路や空港の運営にも意欲を示している。
中国投資家がどのような不動産事業に関心を持つかははっきりしないが、アヤラランドはショッピングセンター、住宅団地、マンション、オフィス、リゾートやホテルを所有している。
昨年6月の就任以来、フィリピンのドゥテルテ大統領は南シナ海の領有権をめぐる中国との係争を沈静化し、関係改善を目指してきた。来月北京で開かれる中国政府主導の広域経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議に出席する予定。
アヤラ会長は大統領の出席とフィリピンが中国の「より大きな計画」の一部になることを評価し、「フィリピンがそのエコシステムの一部となるために必要な」港湾、空港等のインフラへの投資が増えるとの見方を示した。
外交関係改善に伴い、中国はフィリピンのインフラ事業への出資に合意している。マニラとルソン島南部を結ぶ31億ドル(3410億円)規模の鉄道事業では中国企業が中心的役割を果たす見通し。
(マニラ=クリフ・ベンゾン)