タタ、創業家の権限強化 元会長に対抗へ株式売買を制限

2017/9/22 22:21
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【ムンバイ=早川麗】インド最大財閥タタ・グループの持ち株会社タタ・サンズが株主らによる自社株式の売買を制限できる「非公開会社」への移行を決めた。株式の66%を握る創業家の権限を強め、昨秋の解任以降、対立が続くサイラス・ミストリー元会長側の力を抑え込む。同社と元会長側の法廷闘争は続いており、非公開会社化で元会長側の反撃を防ぐとともに、経営改革を加速する狙いがあるもようだ。

21日夕、年次株主総会で決議に必要な株主の75%以上の賛同を得た。今後、会社法関連の事案を扱う準司法機関である会社法審判所(NCLT)の承認が得られれば非公開会社となる見通し。

タタ・サンズはもともと証券取引所に株式を上場してはいないが、会社法上の「公開会社」であり、自社の株式売買を制限できない。非公開会社になると株式売買を制限でき、少数株主による株の買い増しや他社への売却を防げるようになる。

16年10月に解任されたミストリー氏はタタ・サンズ株の18%を握るパロンジ家出身だ。同氏はタタ・サンズの筆頭株主であるタタ創業家の慈善財団がグループ経営に介入していると批判。同氏とタタ・サンズの対立は続いている。

「公開会社のままでは、ミストリー氏側は法的にはタタのライバル会社に株式を売却することも可能で、そうなればタタにとっては脅威。非公開会社になればこれを防げる」。M&A(合併・買収)助言などを手がける印シンギアドバイザーのマヘシュ・シンギ社長はこう指摘する。

グループの経営改革の速度を上げる狙いもあるようだ。今年2月にタタ・サンズの会長に就いたナタラジャン・チャンドラセカラン氏はグループの複雑な株式持ち合いの解消に取り組んでいる。傘下のグループ会社間の株式持ち合いを減らす一方、タタ・サンズによる傘下企業への出資比率を上げる。グループへの影響力を高め、相乗効果を出す狙いとみられる。

公開会社では、親会社と子会社など関連当事者での取引に株主による同意が必要となる条項があるが、非公開会社はこの条項から除外される。株の持ち合い解消などを迅速に進めることができるようになる見込み。

タタ財閥は自動車、製鉄、IT(情報技術)、電力、化学、通信など100社超を抱え、売上高は2017年3月期で1000億ドル(約11兆円)を超える。ただ近年は成長が鈍化しており、低収益や赤字にあえぐ会社も少なくない。

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