プルタミナ、投資・運用で取締役新設
■プルタミナ(インドネシアの国有石油会社) 投資計画・リスク管理担当取締役と資産運用担当取締役の2つのポスト新設を発表した。事業環境が厳しさを増す中、主要プロジェクトへの投資を呼び込む狙い。
これらのポストには社内の人材を登用する。また、大規模精製所・石油化学プロジェクト担当取締役はその部下と交代させる。
3月に就任したばかりのエリア・マッサ社長は、情実人事ではなく、取締役会の人数を10人に増やしたからといって非効率になるとは限らないと話した。
同氏は、資産運用担当の取締役は非中核資産の運用でキャッシュフローの改善を担うと述べた。投資計画・リスク管理担当取締役は「業界の性質」の問題に取り組み、炭化水素資源の埋蔵量と生産の低下を考慮して投資を確保する責務を負う。
エリア氏は「次から次へとプロジェクトを続ける必要があるため、リスク管理をしっかり行い、より入念な計画を策定することにさらに注力する必要がある」と述べた。
同社は現在6つの大規模精製所プロジェクトを進めている。このうち4つは既存の精製所のアップグレードで、あとの2つは新設。総事業費は推定400億ドル(約4兆4000億円)を超える見通し。戦略パートナーがなかなか見つからず、完成予定日は最近、当初の2023年か25年に引き延ばされた。サウジアラムコとこれら2つの精製所を共同で建設する交渉をしたが、実らなかった。
東ナツナ・天然ガス鉱区の開発から米エクソンモービルとタイのPTTエクスプロレーション・アンド・プロダクション(PTTEP)が撤退したため、プルタミナは現在、このプロジェクトを単独で進めなければならない気の遠くなるような状況に直面している。撤退した2社は現在の経済環境下でこのプロジェクトを実行するのはもはや不可能と判断した。プルタミナの取締役の1人は今月、国内メディアに対し、このプロジェクトを同社だけで進めるのは不可能であるとの見解を示した。
(ジャカルタ=エルウィダ・マウリア)