2019年9月22日(日)

セブン、ベトナムに挑む 「最後の巨大市場」争奪戦

2017/6/16 0:30
保存
共有
印刷
その他

セブン―イレブン・ジャパンが15日、ベトナムのホーチミン市に同国1号店を開業した。日本のノウハウを移植しつつ、2019年までに100店を出店する計画だ。9300万人の人口を抱えながら、規制で守られてきたベトナムは東南アジアで最後の巨大市場といわれる。経済成長と規制緩和でコンビニエンスストア市場は急拡大するとみられており、地元のコンビニとの市場争奪戦は激しくなりそうだ。

「日本流」を徹底したセブンイレブンのベトナム1号店(ホーチミン市)

「日本流」を徹底したセブンイレブンのベトナム1号店(ホーチミン市)

15日朝9時、ホーチミン市中心部の複合ビル、サイゴントレードセンター1階に出店したセブンイレブンのベトナム1号店の前には開店を持つベトナム人の行列が数十メートルに伸びた。店内で商品をみていた女子大生のミン・タインさん(21)は「ほかのコンビニに比べて総菜が多くて価格が安い」と満足そうに話す。

164平方メートルの店内にはオーダーメードで作るベトナム風サンドイッチ「バインミー」(2万5000ドン=約130円)のほか、総菜コーナーにはエビ入り生春巻き(2万7000ドン)などベトナムの定番料理が約80種類ほど整然と並ぶ。24時間営業で時間帯によって陳列する商品を変える。いずれも、日本のノウハウを導入した手法だ。

ベトナムにはタイなどと同様に、子会社の米セブン―イレブン・インクが、現地企業のセブンシステム・ベトナム(ホーチミン市)と業務提携する形で進出した。ただ、今回は日本のセブン―イレブン・ジャパンが深く関与。日本流のノウハウを一から移植しようと早くから商品、店舗開発、システムなどに詳しい社員を5人送り込んだ。

タイなどで現地にまかせるだけでは、地元のニーズに合った商品開発ができないほか、店内の商品陳列でも雑然となりがちだったのを反省した。

伝統的市場や中小零細店が多いベトナムでは従来、チェーンの小売業の出店規制が厳しかった。07年に世界貿易機関(WTO)に加盟してから潮目が変わる。16年5月には500平方メートル以下の小売店の出店は当局の審査が不要となると発表されたことで、コンビニなどの展開が容易になった。

加えて、市場の成長性も大きい。米コンサル大手A・T・カーニーが実施した流通市場調査「グローバル・リテール・デベロップメント・インデックス」によると、ベトナムは17年に6位と前年の11位から上昇した。

同調査は新興国の流通市場の魅力度をカントリーリスク、市場規模、市場の飽和度、早期参入の必要性の4つの分野を指標化してランキングにした。ベトナムは早期参入の必要性の指標が調査30カ国で最も高かった。

ベトナムの人口は9300万人で、平均年齢29歳。最大都市のホーチミン市は16年の1人当たり国内総生産(GDP)は国全体の2215ドル(約24万円)の2.5倍の5428ドルに達した。ベトナム全体の小売販売額はこの5年間で1.7倍の19兆2096億円に増えた。若い人口が多いことから、コンビニ市場の伸びしろは大きい。

ただ、眠れる巨大市場を狙うのはセブン―イレブンだけではない。地元不動産最大手のビングループは昨年からコンビニ「ビンマートプラス」の出店を本格化した。不動産業者の強みを生かし、住宅街近くの空きビルを改装する形で店舗を開設。店舗数は1000店に達した。自社で手掛ける有機栽培野菜「ビンエコ」を取りそろえるなど、スーパーとほぼ同じ豊富な品ぞろえが武器だ。

当面は3年で100店舗を目指すセブン―イレブンだが、潜在的な成長力を考えれば、数百、数千の店舗展開が必要になる可能性がある。最後の巨大市場を巡る激しい戦いが始まりそうだ。

(ホーチミン=富山篤、川上尚志)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。