2017年11月20日(月)

クリサス、ファンドによる買収承認

コラム(国際・アジア)
2017/9/14 19:31
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 ■クリサス・リテール・トラスト(シンガポールに上場する日本特化型の不動産投資信託) シンガポールで開いた株主の会合で米投資ファンドのブラックストーン・グループによる9億シンガポールドル(約740億円)の買収を承認した。

 買収は、出席者が持つ株数では98.7%の賛成で承認されたが、出席した株主で買収に賛成した割合は82.4%にとどまった。シンガポールでは買収は出席者の過半数が承認しなければならない。また、出席者が持つ株数で75%以上の賛成も必要。買収が完了すれば、ブラックストーンはクリサスを非上場化する。

 ブラックストーン・リアル・エステートが提案する買い付け価格は1株あたり1.17シンガポールドルで、これは4月25日までの12カ月の出来高加重平均価格より38%高い。4月25日はクリサスが買収提案を受けていることを初めて明らかにした日の直前の取引日。提案価格はブラックストーンが買収提案を発表する前の6月23日時点の1株あたり1.055シンガポールドルより高くなっている。ブラックストーンの買収提案発表後にクリサス株は10%以上上昇した。

 大和ハウス工業丸紅と提携するクリサスは都市部や郊外のショッピングモールなどの日本の商業不動産で構成されている。ブラックストーンは6月、クリサスが持つ「質の高い日本の小売資産から成る確立された資産構成」は同社が日本で事業を拡大する「良い機会」になると表明した。

 クリサスの株主の大半は買い取りの提案価格に満足しているようだが、一部の株主はもっと高いはずだと主張している。買収提案に反対票を投じたある株主は「提案価格が低すぎる。日本の不動産の見通しは非常に明るいのに」と不満を述べた。別の投資家は価格が上がるのを待つことに慎重だ。電子商取引(EC)が盛んになりクリサスを構成する不動産の魅力が薄れているとした上で、「日本は北朝鮮など他のリスクにも直面している」と話した。

(シンガポール=菊池友美)

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