2018年12月12日(水)

台湾メディアテック、中台連合で脱スマホ 車向け開拓

2016/5/14 0:30
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「低価格スマートフォン(スマホ)の仕掛け人」とされる台湾半導体大手、聯発科技(メディアテック)がスマホ依存からの脱却を加速する。13日、車載向け市場開拓で中国の情報大手と提携すると発表した。最大1億ドル(約110億円)の出資などを検討する。スマホ需要の減速を受けて中台連合で新市場を目指すが、中国頼みの成長にはリスクもにじむ。

メディアテックの本社(台湾北部の新竹市)

メディアテックの本社(台湾北部の新竹市)

メディアテックが組むのはカーナビゲーション向け地図情報の大手、北京四維図新科技企業だ。メディアテックは車載向けDVD機器などを手掛ける子会社の保有株(83%)を6億ドルで北京四維に売却する。一方、四維側への出資や合弁会社の設立を協議中で、売却で得た資金のうち最大1億ドルを投じる方針だ。

「スマホの競争は激烈だ。新製品が次々に出るため、その都度顧客の奪い合いになる」。メディアテックの顧大為・最高財務責任者(CFO)は13日の台北市内での記者会見でこう述べた。

さらに「車載向けの半導体は粗利益率が比較的高い。(大手自動車メーカーを顧客に持つ)四維と協力すればこの新たな市場を開拓できる」と強調した。中国当局などの審査を経て、年内には売却を完了する見通しだ。

メディアテックは半導体の開発・設計に特化する「ファブレス(工場無し)」業態の会社だ。スマホの頭脳となる半導体では米クアルコムに次いで2位。スマホを簡単に開発できる設計図とセットで販売する手法も考案し、新興国で低価格スマホが爆発的に普及するきっかけをつくった。

ただスマホ市場は成長鈍化が急速に進む。メディアテックも下位メーカーの中国・展訊通信(スプレッドトラム)などとの価格競争が激しい。2015年12月期の連結純利益は4期ぶりの減益となり、新市場の開拓が急務になっていた。

今後狙うのは、あらゆるものをインターネットにつなげる「IoT(インターネット・オブ・シングス)」や車載向けの半導体需要だ。完成車メーカーの支配下にある強固なサプライチェーンに単独で食い込むのは難しい。子会社の売却を条件に、中国でようやく見つかったパートナーが北京四維だった。

北京四維はトヨタ自動車など世界大手の顧客を持つ。メディアテックは提携で中国の車載向け市場の開拓が加速できるとにらんだ。北京四維はハード機器の強化を目指しており、メディアテック子会社の買収に魅力を感じたようだ。

メディアテックの蔡明介董事長は15年8月、車載やIoT向けの需要で「日本企業とのM&A(合併・買収)や提携を進めたい」と語った。今回のような提携事例が、今後は矢継ぎ早に出てくる可能性もある。

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