インド政府、最低所得保障の導入を検討

2017/2/10 20:50
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■インド政府 補助金や社会保障制度に代わって、国民全員に対して毎月一定の少額を支給する「最低所得保障(UBI)」導入の検討を始めた。貧困世帯の削減が狙い。現行の補助金などを廃止することで賄えるという。

インドでは人口13億人のうち、約3億人がいまだに極貧の生活を送っている。現在、様々な補助金や社会保障制度があるが、貧困世帯の削減は実現していない。そこでインド財務省は年次調査で「全国民向けUBI」の章を設けた。同省は「おそらく即時の実施には至らないが、UBIについて少なくとも真剣に公の場で議論する時が来た」としている。

スブラマニアン首席経済顧問がまとめた調査は、1人当たり年間7620ルピー(約1万2800円)のUBIで、インドの貧困層のほとんどが1カ月当たり893ルピーの貧困ラインから脱すると試算している。この試算は2011年から12年のインフレ調整済み価格に基づいている。

英国による200年に及ぶ植民地支配が終わった1947年のインドの貧困率は、人口の70%だったが、この比率は4~5年前には22%まで低下した。国連が2015年に発表した同国の「ミレニアム開発目標」に関するリポートは「インドの約3億人が極貧層で、教育や健康、水、公衆衛生、電気といった基本的なサービスを受ける機会を奪われている」と指摘している。

調査はUBIのコストを国内総生産(GDP)の4.9%と見積もっており、現行の補助金を廃止することで賄える比較的軽い負担だ。現在、中間層には料理用ガスや鉄道利用のための補助金制度や個人所得税の免税措置などが実施されており、これらはGDPの1.05%を占める。貧困層向けの燃料、食料、肥料のための補助金のコストはGDPの2.07%を占める。

(ニューデリー=キラン・シャルマ)

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