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アジア市場でTPP関連銘柄下落 トランプ勝利受け

【台北=伊原健作】9日に米国の次期大統領が共和党のドナルド・トランプ氏に決まったことを受け、アジアの株式市場では保護主義の高まりへの警戒感などから急落する銘柄が続出した。環太平洋経済連携協定(TPP)発効への期待から買われていた銘柄の下落が目立つ。一方、安全資産の「金」関連が逆行高となるなどリスク回避姿勢が鮮明になった。

台湾市場では9日、アパレル受託生産大手の儒鴻企業(エクラット・テキスタイル)の株価が急落し、前日比9.9%安のストップ安水準だった。同社はTPP加盟国のベトナムで生産した製品が強みだがトランプ氏はTPPに否定的な姿勢だ。発効が難しくなるとの連想から同社への成長期待がはがれ落ちた。靴受託生産の豊泰企業も同じ理由で5.1%下げた。

ベトナムでは特産の養殖魚「チャー」を米国に輸出するベンチェ・シーフード輸出入が3.6%下落した。

米国での事業に対する懸念も強まる。韓国市場ではバイオベンチャーのセルトリオンが5%下げた。4月に米当局から抗リウマチ薬の販売承認を得ていた。

タイでは10月中旬に米企業を買収した世界最大手のツナ缶メーカー、タイ・ユニオン・グループの株価が1%下落。米国の売上比率が高いインドのIT(情報技術)サービス最大手、タタ・コンサルタンシー・サービシズは5%弱下げた。

トランプ氏が掲げる米の輸入関税引き上げなど保護貿易への懸念も膨らむ。シンガポールの物流施設大手、グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP)は3%近く下げた。香港市場では大手商社の利豊が4.5%下落。中国などの協力工場で委託生産した衣料品を米ウォルマート・ストアーズなどに卸す事業モデルのためだ。

香港市場では中国石油天然気など資源関連も下落したが、重複上場する上海市場での影響は限定的だった。時価総額が大きく、株価指数への影響が大きいため「中国当局による買い支えが入った可能性がある」(中国の証券会社)。

一方、上海市場では山東黄金がストップ高となるなど、金関連株の多くが値上がりした。目先のリスクを避けるための金需要が増加するとの見方が株価を押し上げた。

フィリピンでは不動産のセンチュリー・プロパティーズ・グループの株価が20%高と急騰した。トランプ氏とブランド使用契約を結び、「トランプタワー」の名称を付けた57階建ての高級コンドミニアムをマニラで開発中で、連想買いが膨らんだようだ。

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