中国人、無線LAN・星付きホテル好む
■スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(英独立系高級ホテル連盟) 中国人が海外旅行で泊まる高級ホテルに期待するのは「無料の無線LAN」「ミシュランの星付きレストラン」との調査結果をまとめた。
「中国人だから朝食に粥(かゆ)」という認識では対応できない時代になってきた。
欧米の旅行者は「バカンスの時くらい携帯電話のことは忘れたい」と考えるのが一般的。だが、中国の若いスマートフォン(スマホ)世代は、片時もオフラインになりたがらない。高級ホテルに入れば、直ちに無料の無線LANにつなぎ、チャットアプリ微信(ウィーチャット)や情報共有サイト、QQ空間で友人らとつながっていないと落ち着かない。「無料の無線LANがほしい」と答えた比率は65%で、他のどの国籍よりも高かった。
米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」やタブレット「iPad」を充電し、スピーカーとなるドッキング装置についても29%の人が「あってほしい」と答えた。
食事も中国人には重要。51%の人が「ホテルにミシュランの星付きレストランを併設していてほしい」と考えている。48%の人は夜景が見える屋上バーの有無を重視すると答えた。
徐々に増えているのがペットと一緒に旅をしたいという人。7%の人がホテルにペット対応を期待すると答えた。「愛犬のためにイベリコハムとキャビアを用意してほしい」という回答者もいた。
渡航先で人気があるのはモルディブ。旅先のショッピングで最も人気があるブランドはエルメスだった。
世界のホテルは急増する中国人を迎え入れるため、朝食会場に粥や豆乳を用意したり、ロビーで獅子舞をしたり、部屋に中国茶を用意したりし始めている。旅慣れた中国の若い世代の心をつかむには、もう一工夫が必要そうだ。(大連=森安健)