2018年5月28日(月)

越ビングループの自動車参入、政治の思惑先行か

2017/9/5 0:30
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 ベトナム政府は2020年に工業立国するというスローガンを長年掲げており、初の国産車である「ビンファースト」はその象徴となる。政府は「国民車」として育成したい考え。だが、東南アジアでもマレーシアやインドネシアで国民車構想は失敗しており、ベトナムが同じ轍(てつ)を踏む可能性はある。

 「私は悲しい。我が子を失った」。国民車構想を主導したマレーシアのマハティール元首相は5月、経営不振の「プロトン」の再建を中国自動車大手「吉利汽車」が担うことが決まり、ブログでこう嘆いた。インドネシアのスハルト元大統領が1990年代後半から進めた「ティモール」も2000年代前半に同ブランドでの生産を終了した。

 これらはそれぞれ政府が国民車として自国の自動車産業を育成しようとした試みだった。技術は日本の三菱自動車マツダ、韓国の起亜自動車などの協力を仰いだ。だが、ベースとなる車を改良しただけで、性能が極端に向上したわけではない。燃費や装備など日進月歩で進化を続ける海外のメーカーに太刀打ちできるはずはなかった。

 国民の足であり、年間300万台売れるバイクはシェアの9割以上がホンダヤマハ。満足に自国ブランドのバイクさえつくれていないベトナムがどこまで高度な国民車をつくれるかは不明だが、政治の思惑が先行している感は否めない。

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