2019年8月23日(金)

和牛の市場価格最高、5年で5割高 16年度末

2017/4/5 20:48
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和牛肉の高騰が続いている。最高級A5ランク(去勢)の2016年度末の市場価格は5年前に比べて5割値上がりし過去最高値となった。和牛の肥育は手間がかかるため高齢化に伴う離農が止まらず、供給が減少している。一方、和牛の肥育農家は仕入れる子牛価格の上昇に直面しており、採算が厳しくなっている。

子牛の仕入れ値は高騰している(滋賀県・加賀屋牧場)

全国の指標となる東京食肉市場では、3月末の和牛枝肉(骨に肉がついた状態)のA5(去勢)平均価格が1キロ2948円。前年度末比1%上昇し、この5年間の上げ幅は5割に達した。今月に入ってからも同水準で推移している。

農畜産業振興機構(東京・港)によると国内の牛の処理頭数は2013年度から前年割れが続き、この5年で1割減少した。需要に供給が追いつかず、セリの価格は高止まりしている。

食肉卸ミートコンパニオンの植村光一郎常務は価格高騰について「輸出の増加も影響している」と語る。日本からの牛肉輸出はここ数年で2ケタ増が続き、年間2000トンに迫る勢い。国内牛肉出荷の1割近くまで拡大した。

価格高騰により、国内のスーパーでは「霜降り」のA5和牛の売れ行きが鈍化している。買い付ける牛肉が低い等級に向かった結果、A3(去勢)は同2300~2400円と5年前より7割高い。さらに店頭に並べる部位は高級なロースやヒレではなく、モモやカタなど相対的に安価なものが目立つ。

スーパーの中には自社で牛肉を生産する例もある。ダイエーは鹿児島の直営牧場で「さつま姫牛」として大規模に育成している。同社によると「市場価格にそれほど左右されずブランド牛を提供できる」という。

一般の生産者は和牛の卸価格が上昇しても、仕入れる子牛の価格も高騰しているため採算が厳しくなっている。子牛の繁殖と成牛の肥育は分業になっているケースが多い。

現在の子牛は全国平均で1頭約84万円とここ1年で1割高騰し、過去最高値圏にある。ブランド牛の近江牛を肥育する加賀屋牧場(滋賀県甲良町)の金沢朋宏代表は「子牛価格の値上がりは驚異的」と話す。

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