2019年3月23日(土)

米国産原油の輸出急増 ハリケーン後、欧州産と価格差開く

2017/10/5 20:30
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米国の原油輸出量が過去最高を更新した。8月末に米南部を襲ったハリケーンの影響で、需要が減った米国の原油に割安感が生じたことが背景にある。逆に原油の引き合いが強まった欧州では価格に上昇圧力がかかり、米欧の指標原油の価格差は約2年ぶりの幅に拡大。米国産の輸出の追い風になった。

米エネルギー情報局(EIA)が4日発表した週間石油統計によると、9月最終週の米国の原油輸出量は日量198万バレルと前の週に比べ33%増えた。前年同期の4.5倍になった。

米指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物(期近物)は1バレル50ドル前後と、6月末に比べ9%高い。欧州指標の北海ブレント原油は同じ期間に16%上昇し、1バレル56ドル前後。価格差は1バレルあたり5ドル台後半と2015年8月以来の大きさに開いた。

北海ブレントの上げ幅が大きいのは、8月末に米南部を襲ったハリケーン「ハービー」の影響だ。米テキサス州に集まる製油所が止まり、米国でガソリンなどの生産が停滞。欧州から米国に輸出する石油製品が増えるとの見方から北海ブレントが買われ、WTIが売られた。

アジア指標の中東産ドバイ原油もWTIに対し高めに推移している。「タンカー運賃は低く、船賃を加えても米国からの輸入は割に合う水準」と総合商社の原油トレーダーは話す。

米調査会社S&Pグローバル・プラッツは9月、アジアで取引される米国産原油の価格情報を12月から提供すると発表した。米国からの流入増を見据えた動きだ。

もっとも「米製油所の復旧でブレント買い・WTI売りは修正される」(フジトミの斎藤和彦チーフアナリスト)可能性が高い。米欧の指標原油の価格差はハービー上陸後に一時1バレルあたり6ドル以上に広がったが、9月末に縮小に転じた。「ハリケーンの影響が正常化に向かっていることが確認され、価格差は縮まっていく」(住友商事グローバルリサーチの舘美公子シニアアナリスト)との見方が多い。

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