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見る者を魅了し、勝つこと目指す ヨハン・クライフ氏死去

クライフがサッカーに起こした革命はピッチにスピードを持ち込んだことだ。1970年ワールドカップ(W杯)を制したブラジルは至宝ペレを擁し、いまだ伝説として語られるが、それは「やあやあ我こそは」と名乗りを上げながら戦うことが許された時代の輝きだったように思う。

74年W杯準優勝のオランダは一気に時計の針を進めた。コンパクトな陣形を保ち、集団でプレスをかけ、奪ったボールに追い越す動きを絡めて相手をずたずたにする。その奔流の中心にいてチームを自在に操ったのがクライフだった。

ドリブル、パス、シュート、戦術眼、すべてがパーフェクト。左右どちらの足でも同等にボールを扱えた。「クライフターン」という名で今に受け継がれるフェイントもある。訃報に接し、ハリルホジッチ監督が発したコメントは簡潔にその偉大さを表している。

「いろんなことを現代フットボールに持ち込んだ、素晴らしい創造主だった」

背筋をピンと伸ばし、全軍を叱咤(しった)しながらプレーする美しさは比類がなかった。「名選手は名監督ならず」という定説もこの天才には当てはまらない。世界を席巻するFCバルセロナの超攻撃的スタイルの源流は「監督」のクライフ。サッカー人として常に目指したのは見る者を魅了して勝つことだった。

薫陶を受けたグアルディオラ・現バイエルン・ミュンヘン監督はそんなクライフを"父"としてあがめる。希代の英雄は死しても、その哲学は連綿と受け継がれていく。

(武智幸徳)

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