教科書採択、教員ら延べ1009人関与 8割が金品授受

2016/4/1 1:28
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教科書会社12社が教員らに検定中の教科書を見せていた問題で、文部科学省は31日、閲覧した公立小中学校の教員ら延べ1009人がその後、教科書の採択に関わる立場になっていたとの調査結果を発表した。うち818人が金品を受け取っていた。閲覧した教科書に採択を変更したケースが99件あったが、同省は「不正行為は確認されず、採択に影響はなかった」と説明している。

1月公表の教科書会社の申告によると、検定のあった2009~10年度と13~14年度に、延べ5千人以上の教員らに検定中の教科書を見せ、うち10社が約4千人に金品を渡したとした。

文科省は、各教育委員会に教科書会社の申告内容を提供。実際に教員らが閲覧したか、金品を受け取ったか、採択に影響があったかなどを調べるよう要請した。

各教委の調査結果によると、閲覧した公立校の教員らは延べ4525人。うち金品を受け取ったのは延べ3507人に上った。文科省によると、閲覧した教員らの都道府県別では、北海道が466人と最も多く、大阪府410人、東京都403人などだった。

教科書の採択に関わる立場になっていた1009人の内訳は、資料作りを担当する「調査員」992人、教科書選びの権利を持つ「教育長・教育委員」6人、「採択地区協議会委員」11人。

各教委が採択に関する会議の議事録や資料を調べたところ、委員が特定の会社を強く推薦したり、採択を促したりするなど、公平性に疑義が生じる発言はなかった。

文科省教科書課によると、原則4年に1度実施される採択で教科書会社を変更することは珍しくないという。同課の担当者は「透明性に疑念は生じたが、採択はいずれも公正に行われた」と話している。

外部からの干渉を防ぐため、検定中の教科書を外部に見せることは教科書検定規則の実施細則で禁じられている。

文科省は同日、再発防止策などを盛り込んだ通知を出した。教科書編集に協力した教員らに教委への自己申告を促したり、教科書会社から不適切な金品の受け取りがあった場合は教委が厳しく対処したりするよう求めた。

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