機能性表示「撤回求めず」 消費者庁長官、トクホ疑義の成分
特定保健用食品(トクホ)の審査で安全性に疑義を持たれた成分を含む商品を、消費者庁が「機能性表示食品」として受理した問題で、同庁の板東久美子長官は31日、商品を開発したリコム(東京・豊島)に対して機能性表示食品としての届け出の撤回は求めない考えを示した。
同庁がトクホとして認めない方針を固めた同じ成分を含むリコムの清涼飲料については、同社がトクホの申請を取り下げたことを明らかにした。
機能性表示食品として受理されたのは、リコムのサプリメント「蹴脂粒」。体脂肪を減少させる働きがあるというエノキタケ抽出物を含んでいる。この成分について食品安全委員会は今年5月、「安全性が確認できない」と評価していた。
消費者庁は「リコムによる試験では安全性が確認された」などとして機能性表示食品としての販売には問題がないと判断。一方で、危害情報の収集を徹底するよう同社に文書で通知した。
リコムは蹴脂粒を9月以降に販売する予定。清涼飲料については「新たなデータを追加し、トクホに再申請したい」としている。