2017年12月16日(土)

医薬品、開けにくい包装で子供の誤飲事故防げ
消費者事故調が提言へ

2015/1/31付
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 消費者安全調査委員会(消費者事故調)は31日までに、子供が医薬品を誤って口にする事故を防止するため、容器や包装を開けにくくするための基準を作るよう、厚生労働省に提言する方針を固めた。子供の薬誤飲事故は年間8千件を超えている。製品を使いにくいデザインにして子供の事故を防ぐ「チャイルドレジスタンス」という手法で事故を防ぐ狙いだ。

 事故調によると、5歳以下の子供が誤って医薬品を飲んでしまう事故は2012年に8388件あり、吐き気や腹痛などを訴えたのが869件。約半数が錠剤で、1~2歳児が72%を占める。

 厚労省は医薬品の包装や容器に基準を定めていない。13年1月、子供が使いにくい製品開発の検討を製薬業界に通知したが、多くの製品は変わっていない。

 事故調は、アルミ箔を破って錠剤やカプセルを押し出すタイプの包装で実験を開始。さまざまなサンプルで子供と大人100人ずつの取り出しやすさを調べ、結果を踏まえ基準作りを働き掛けることにした。押し出すのに力が必要となる形や、アルミ箔をフィルムで覆った形状などが想定されている。

 事故調幹部は「保護者が気を付けるだけでは事故は減らない。子供に安全な容器の導入を目指したい」としている。

 事故調によると、米国では1972年、医薬品を子供が開けにくくするよう義務付けられ、誤飲による死亡事故が大きく減った。英国にも一部の医薬品に同様の規定がある。

 子供が製品を使いにくくする例としてはライターがあり、11年9月、レバーを重くするか、2段階の操作をしないと点火できないようになった。東京都によると、ライターの火遊びが原因の火災は都内で09年に75件、10年に54件発生したが、13年は34件に減った。

 子供の事故に詳しい山中龍宏医師は「事故を減らす有効な手だては取り入れ、使いにくくなるなどの負担は社会で受け入れるべきだ。国民に納得してもらうため、どれだけ事故を減らせたかの検証も欠かせない」と話している。〔共同〕

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