マンション強度不足、高松建設に賠償命令 仙台地裁
仙台市の8階建てマンションのコンクリート強度が不足し、補修では済まないほど耐震性を欠いているとして、所有者が建設会社側に、建て替え費用など約5億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は31日までに、元請けの「高松建設」(大阪市)など3社に約5億1900万円の支払いを命じた。
判決理由で山田真紀裁判長は、コンクリート強度について「基準を少なからず下回る。建物全体の強度を大きく低下させ、基本的な安全性を損なう欠陥に当たる」と指摘した。
原告側は、マンションの引き渡し後、建物にひび割れが多数見つかり、調査の結果、コンクリートの強度が設計基準の半分ほどしかないことが分かったと主張。高松建設などは「欠陥はなかった」と反論していた。
判決後、原告側代理人の吉岡和弘弁護士は「(一定の)強度がないと直しようもない。補修ではなく、建て替えが認められたことは重要だ」と語った。高松建設の広報担当者は取材に「判決文を精査し、控訴も含めて対応を検討する」と話した。〔共同〕