地震発生時の被害予測、「連続揺れ」の影響盛り込む
内閣府は31日、地震発生時の被害予測システムに、熊本地震のように強い地震が続けて起きる「連続揺れ」の影響を盛り込むと発表した。今年度中に改良版を完成、試験運用を始める見通し。
システムは防災科学技術研究所などが開発中。地盤のデータや主な建物の構造、高さなどの情報を組み合わせ、地震が発生して10分以内に、どの地域でどのくらい建物が倒壊するかを推定する。
これまでに試作したシステムは連続揺れを想定しておらず、4月の熊本地震の際には最初の揺れの被害は精度良く推定できたが、本震発生時はうまくいかなかった。
地震で損傷した建物が繰り返し大きな揺れに襲われると倒壊の危険が増す。そのため公共施設などに取りつけたセンサーで実際の揺れを細かく計測し、連続揺れの影響を盛り込んでより正確に予測できるよう改良する。
地震発生の直後は通信や道路の混乱で、被害状況を把握することが難しい。システムは通報がなくても被害を迅速に予測し、早期の救援活動につなげる狙いだ。想定される地震については事前に被害を予測し、全国の自治体に提供する。