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千葉の三セクで「キハ52」運行 運転士、訓練費を自己負担

千葉県の第三セクター「いすみ鉄道」で、訓練費700万円を自己負担して運転士となった元IT会社社員が、今春から同社の観光車両キハ52の運行を担っている。日本の経済成長を支えたディーゼルカーとして今では貴重な存在となったキハ52。多くの乗客からも愛され、動かす喜びはひとしおという。

いすみ鉄道は房総半島東部沿岸にある大原駅(いすみ市)と内陸部の上総中野駅(大多喜町)を結び、営業距離は26.8キロ。車窓からはのどかな田園風景が望め、週末には観光客でにぎわう。

キハ52を操るのは武石和行さん(46)。経営再建に取り組む同社が2010年から始めた「訓練費自己負担の運転士養成コース」の1期生だ。

運転士を目指し高校の運輸科に進んだが、当時は国鉄分割民営化で新卒採用がなく別の道へ。IT会社でシステム関連の仕事をしていた時、新聞記事で養成コースを知り夢がよみがえった。高額の費用負担へのためらいは「これが最後のチャンスだ」と振り切った。

同社での訓練を経て、3回落ちると受験資格を失う国の免許試験に3度目で合格した。12年に運転士として働き始め、週末の観光車両として走るキハ52を今年4月から任されるようになった。

キハ52は高度経済成長期に各地の国鉄で活躍。昭和レトロの雰囲気を復活させようと、いすみ鉄道は10年に長野、新潟両県を走るJR大糸線から車両を導入した。現在、国内で営業運転しているのはいすみ鉄道だけだ。

1965年製の車両は、ブレーキをかけてから減速し始めるまでに独特の間がある「くせもの」。計器だけに頼らず車両の微妙な振動を体で感じ取ることが求められ、武石さんは「学ばなければならないことはまだ多い」と気を引き締める。

それでも最近は運転席の背後から聞こえてくる乗客の弾んだ声を感じる余裕も出てきた。「乗客として長年利用してきた車両を運転でき、今は胸がいっぱいです」とかみしめるように話した。〔共同〕

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