/

新潟水俣病7人認定命令 地裁「感覚障害だけでも」

新潟水俣病の認定申請を棄却された未認定患者ら9人が認定を求めた行政訴訟の判決で新潟地裁は30日、「感覚障害だけでも認定はできる」として7人を公害健康被害補償法(公健法)に基づく水俣病と認定するよう新潟市に命じた。

水俣病認定を巡る判決は、国の認定基準よりも救済範囲を広げた2013年の最高裁判決以降、初めて。最高裁の判断基準を踏襲した今回の判決で、未認定患者の認定申請や同様の訴訟が増える可能性がある。

敗訴した原告2人は控訴する。原告側弁護団は新潟県内に住む男女3人が新たに認定を求めて提訴すると明らかにした。

判決で西森政一裁判長は「軽い水俣病では症状が感覚障害だけのものがある」と認定。最高裁判決と同様に、感覚障害を含む複数の症状の組み合わせを原則とする国の認定基準を事実上否定し、司法独自の基準で水俣病かどうかを判断した。

その上で「7人は魚介類を摂取するか、摂取していた母親の胎内にいたことでメチル水銀を体内に取り込んだのが明らかで、感覚障害に他の原因が考えられない」と指摘。認定患者の同居親族がおり、食生活が同じという点からもメチル水銀を摂取した可能性が大きいとして水俣病と判断した。

また、メチル水銀が取り込まれてから数年後に発症した例や、発症後10~20年後に症状が悪化した例があるとして、長期間経過後、老化に伴い症状がはっきり現れる「遅発性水俣病」があり得ることも認めた。

訴えを退けた2人については「汚染された阿賀野川の魚を多食した確かな証拠がない」とした。2人は認定患者の同居親族がいない。

原告は新潟市の50~80代の男女で、1人は申請後に死亡した未認定患者の遺族。阿賀野川のメチル水銀に汚染された魚を食べ、手足のしびれなどの症状があるとして05~11年、市に認定申請し、07~13年に棄却された。裁判では棄却処分の取り消しと認定義務付けを求めていた。

勝訴した7人は昨年3月、国や県、原因企業の昭和電工に未認定患者らが損害賠償などを求めた新潟水俣病第3次訴訟の地裁判決で、水俣病と判断されている。3次訴訟は高裁で係争中。〔共同〕

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン